平成のクライムカイザーはいなかった

 むかし同級生で強い者が好きな椰子がいて、「巨人、大鵬自民党」などと嘯いていた。子どもの好きなもの=「巨人、大鵬、卵焼き」というのをもじったものだ。ひらきなおって言ったわけだけど、なんかなぁと思った。そういう意味では、今の巨人はめちゃめちゃ面白いとも言える。へなへなな史上最強打線。役立たずのファッキンビックジョン君たち。それだと視聴率は落ちるし、球場に足を運ぶ者も少なくなる。高度成長時代ならわかるけどさ、今はちょっとアレなわけだし、野球界のウナギパイ、大人の球団楽天イーグルスみたいなわけにはいかんのかね。リストラ軍団+辞めてやる岩隈+裏金いちば。これをなかなか気骨のある監督コーチが引っぱる構図。「リストラオヤジは楽天イーグルス!」「負け犬男女も楽天イーグルス!」。冗談じゃなく、けっこう本気で、広島とも、札幌ともちがう地方の野球チームを応援したいよな。たぶんやらないと思うけど、村田兆治さん、ワンポイント起用で奇跡のフカーツとか。まあしかし、仙台の人はジョーダンじゃねぇってことになるんだろうなぁ。だけどさ、相手チームに襲いかかるマスコットキャラとか、スゲー面白いことやってるんだから、そのくらいやってくんないかな。w
 で、ディープインパクトです。東京優駿。カチンコチン鉄板の1.1倍だって。ありえねぇー。名前は映画からとったの?スゲー津波が来るやつ。まあどうでもいいけど、話題になって一応見ていたんだけど、ヘンな馬だとはおもっていたわけですよ。ハイセイコーはでかかったし、トウショウボーイとかルドルフはなんか風格があった。だけど、ディープインパクトは、やんちゃといいますか、おちつかねぇ馬だよね。でもって、なんかクビが細くてアタマが小さいカンジ。あと、なんか眼が間抜けなんだよ。子どもっていうのかなぁ。で走り出すと、シュタッと闘争モードになるかというとそんなことはない。あっちゃこっちゃいったり、クビあげちゃったり、ありえねーカンジ。
 でもって、最後ひょこひょこって出てくるのは、たぶん騎手のうまさだろうけど、最終コーナーからあとは、ギャロップギャロップでピョコピョコしていて、しかしこのギャロップギャロップがぜんぜん早く見えないんだけど、スゲー早いの。最後はブッチぎっちゃう。力強い脚とか、圧倒的な風格の脚とか、天才的な脚とか、あるいは悲愴感のある脚とか、よれよれでやっと勝ちますたとか、いろんなものを見てきたけど、こんなやんちゃに勝っちゃうのはみたことない。飛んだとか、『風の翼』みたいなメイクドラマが行われているけど、やっぱこれはギャロップギャロップだろ。どーみても。江川卓の番組で、杉本清が「こんなのはじめて」「腰に来た」とゆっていたが、あまりメイクドラマなことばにならなかったのは、杉本が年老いたとかそういうことじゃなく、わけわかめだったんじゃないかと思う。
 まあ強い者があんまり好きじゃない人間は、クライムカイザーはふたたび降臨しないのかと思ってみていたと思うんだよね。うちを差したときは、おおおおと思ったよ。思い出したのは、「うちからグリーングラス」。キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゜Д゜)゜∀゜)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゜∋゜)´Д`)゜ー゜)━━━!!!! と思ったんだよね。で、外からギャロップギャロップでしょ。やってられないってかんじです。労働者やドキュソなあんちゃんたちが禿げしく共感したハイセイコーだって、たしか6割だいじゃなかった?3/4が支持なんてありえねー。 もうなんつーか、笑うっきゃねぇっつーかんじですね。まさに、うまっち!な時代のヒーローなのかもしれない。