ケーファーのハム

 岡山時代に若手教員がツレだって、よくデパートに行った。下着売り場でビキニのブリーフ買った話などは前にもしたが、言うまでもなくデパ地下にもよく行き、マンゴスチン、ドリアンなど珍しい果物をみたり、お弁当、お総菜、お菓子などをみて歩き、気が向くと試食したり、買い食いなどをした。買い食いは、回転焼きみたいなものが多かったが、私だけはガキの頃からの習慣もあり、コロッケ一個そのまんまとか、ハム五枚とか、鶏肉の照り焼き一枚とか買って、かぶりついた。お店の人たちは、お得意様でもあるし、けっこう歓迎してくれていたふうではあるものの、やはり「ヤヴァイ人」みたいに分類されていたかもしれない。
 最近忙しいので、仕事をしながら食べられるパンやなにかを三越で買って、仕事をすることが多い。夜は、ジョアンのパンを買った。今ドイツパンのセールを吉祥寺店ではやっている。ライ麦や粗挽きのなんやかんやでカチンコチンのパンがけっこう好きで、いつもはあるときとないときがあるのだが、セールだからあるだろうと思ったらはたしてあって、それを購入した。ジョアンでパンを買うときは、地下の焼き鳥をなぜか買うのだが、気に入ったものがなかったので、ハムでも食べようかと思い、一階でハムを買った。ロースハム三枚とソーセージ三枚。そしたら、千円以上するのでぶっ飛んだ。よく見たら、すげー高いハム屋だった。ロースハムはうまそうだと思って、値段表示をよくみず買ったのだが、三枚で800円以上する。よくみると、ロース肉を向かい合わせに貼り合わせたものが一本のハムになっているものだった。切り口をよくみると、ポークソテーにするようなロース肉が二枚ひっついてハムになっているの。すげーもん買ってしまったなぁ。コンビニのハムなら、何枚食えただろうと考えるとめちゃめちゃ後悔した。
 しかし、帰って食ったら馬路美味い。またボリュームもすごい。200グラムくらいのはずだが、お腹一杯になってしまった。ケーファーはドイツハムのお店みたいで、ライ麦のブロートとよくあう気がした。パンというのは、バターとか、ペーストとかをぬったりして喰うものだろうが、なるべく塗らないようにしている。貧しい時代の経験があり、バターとかなくてもパンは食えるし、マヨネーズとかドレッシングがなくてもキャベツとかが食えるのである。キャベツは安いときにはなかなかの食い物だった。でかいし、数回に分けても、それだけでかなり腹一杯になるしね。
 しかし、パンとハムと飲み物だけで二千円近いなんて、何をしてしまったのだろう。むかし、松屋牛めしとサイドメニュー頼みまくって二千円くったのを思いだしてしまった。二千円なら鰻重喰えるジャンか。むかつくちゃん。パチンコで二千円すっても気にならないのに、こんなことでなんで腹が立つのだろう。おまけに悔し紛れに日記まで書き、時間をつぶした。せめて深夜まで書かなきゃよかった。くそぉ。、