鯛焼き

 大学で休み時間に何の気なしにログをみていたら、一つ私のブログを「いなばせんせいのぶろぐ」としてアンテナ登録している人がいた。私は『ナウシカ解読』や自由論とは関係ありません。もしそうだと思って読んでいらっしゃるとすると、ご本人にもいなば氏にも気の毒な気がする。inainaba の語源談義については以前話したが、くり返しておくと、いなばくんとも関係ないし、「ina in a 婆」というババセン宣言でもない。むしろ小木大サーカスなのである。それからメールをチェックしたら、現代風俗研究会東京部会のほうで成蹊大学でやっている吉祥寺サブカルチャー研究の話をしてくれないかというメールが先輩の市川孝一さんから入っていた。なんか『東京スタディーズ』みたいな一連の報告会をするみたいなのだ。
 成蹊の授業のほうは、まだ始まったばっかりで、吉祥寺街づくりNPOのKiss*がやっている「キッスカフェ KISSCAFE」みたいなサイトも見出したばかりだし、一橋大学修士論文でそれを扱ったものもあるらしいという情報を得たばかりだし、授業は一年生中心でミニコミのタウン情報以下のような議論しかまだしていないのでどうしようかと迷っている。まあそれでも、二年生諸君の健闘により、前回はハモニカ横町についてなかなか面白い議論ができた。成立の経緯や、再開発ビルなどのことも触れていたが、やはり盛り上がったのはお店談義で、とりわけ鯛焼きのあまねでは、かなり活発な議論というか、雑談が交わされた。この店のバックにオーガニックカフェがあるとは知らなかった。なんとなくアンテナショップ的な店が多いと思うのは、気のせいだろうか。
 あまねはみたことはあるが、食べたことはない。さすがに最近は甘いものは極力控え、食べたいときには豆乳花65kcalと決めているし。あまねの鯛焼きはしっぽまであんこが入っているのとか、芋が入っているのとか、そこそこ特徴的なものが多いらしい。「鯛焼きは頭から食べるかしっぽから食べるか?」という質問が出て、「ヘタな合コンネタみたいだな」とかゆったら、けっこううちとけて、話が弾んだ。美味いもの=あんこから食べるかどうかという論点、しっぽまであんがはいっているかという論点などが出されたが、1人だけ「頭からだと可哀想」というのがいた。斬新だ。「ひよこもそうする?」ときいたら、「ウン!」とこたえる。二年生が「ハトサブレーもな〜」と拾って快調に議論?がすすむ。
 ここで話は都心の鯛焼き屋に転じられた。歌舞伎座鯛焼きには紅白の白玉が入っているらしい。理由は誰もわからなかった。もう一つ泳げ鯛焼き君の鯛焼きやがあり、めちゃめちゃ巧くて、予約しないと数時間待ちみたいなのもあるのだという。そこで「天然物」「養殖物」という区分が出された。天然は、一つずつ丁寧に焼いたもの、養殖は大きな方で10個とか20個とか一度に焼くものらしい。表面はかりっとし、中はもちもち感があり、そしてあんこはしっぽまでというのが、一応おいしさの指標として確認できた。しかーし。これのどこが吉祥寺にサブカルチャー研究なのか?一応地域差などを議論しなくてはと思った。福島の人が「ずんだがある」というので、びっくりした。「ずんだ鯛焼きか?」と聞いたら、ずんだもちだというからこけた。わははは。回転焼きや、もみじまんじゅうなどにも議論をすすめたが、いっこうにわけわかめな状態。三軒茶屋のチーズクリーム今川焼きの話は、ずっと前にしちゃっているし。私なりの「サブカル」へのこだわりを語りようもない状況だ。まあでも、学生たちが吉祥寺を選んだという部分をなにかわからないかと考えている。