女子大の桜

 今年は記録的な桜の遅咲きで、来週までもてば、何年ぶりかで国立の桜を見ることができるかもしれない。桜のトンネルが続く風景は、85年にアパートを引き払い岡山に向かった思い出と重なる。両親や友人たちと引っ越しの詰め込みをし、院生研究室を引き払って、谷保の駅へ、そこから横浜経由で岡山に赴任した。岡山では、半田山植物園の桜や旭川沿い後楽園周辺の桜を思い出す。半田山植物園の桜は、岡山の中心街表町丸善紀伊国屋の帰りに自転車で大学に向かうと、正面の半田山一面に咲き乱れ、それは美しいものだった。また、後楽園沿いの土手に桜が続く風景は96年にこちらに戻ってきた思い出と重なる。あれからもう足かけ10年になる。
 東京に帰り、桜を見るというと、武蔵野市から西東京市方面に向かうサイクリングロードを走りながら、小金井公園まで見に行ったこともあるし、また自宅近くの井の頭公園の桜もきれいだが、やはり大学の桜をみて、桜の気分を味わって終わりということのほうが多い。大学にはいろいろな桜の木があり、研究棟の前にある桜もなかなかきれいだ。それを写した三枚の写真をアップした。一番最後のものは、大学の奥にあるグラウンド=食堂と図書館の西側にある桜である。あまり上手く撮れていないけれども、ここの桜は大学のなかでは一番きれいなのではないかと思う。特に、同窓会館のある道の外から見ると、大学の校舎に桜のもやがかかったみたいで、なんとも言えない幻想的な美しさである。
 この季節、桜の歌を聴く。福山雅治の「桜坂」と徳永英明「桜」のふたつが最近は気に入っている。前者は言うまでもなく、未来日記最高傑作との呼び声も高いもののテーマソングとも言うべきもの。後者は、曲自体がなかなかすばらしいものがある。徳永は、桜がらみでまた話題になった。河口恭吾「桜」徳永英明の「僕のそばに」がそっくりということで、2ちゃんでは祭状態。フラッシュまでつくられた。「こわれかけのラジオ」を歌ったおそらく地方都市出身であろうところの徳永は、こだわりの人で、スーパーサッカーなどに出ていたときは、バリバリに尖っていて、水沼さんも緊張している風だったけれども、こだわりの「男気」をこの一件では魅せた。訴えずになんと、 徳永がトークライブで河口の「桜」を歌ったという。最近の知財云々の議論からすれば、信じられないお人好しな議論ということになるのだろうけど、私はジツにこういう話に弱いのである。もちろんこれは、河口ならではの話であり、なんでもパクリまくってよいというわけではないのだけれども。
 徳永英明「桜」は(・∀・)イイ!!曲だし、リバイバルしないかなぁなどと思っている。これは、卒業カラオケかなんかでゼミの椰子が歌っていたのを聴き、知った曲だ。春になるとサクラソング満開で、ケッッテイウカンジがしていたし、なんかパンクバンドが、ウゼーよサクラみたいな歌を歌わないかなとか、下衆ヤバ夫がきゃんたまさくら咲かせてくれないかなぁとか思っていたが、徳永の桜はもはや定型化されつつ情緒とはちょっと違う、妖しげな夜桜の雰囲気をもたたえており、かつちょっとしゃれたアレンジで、ジツに(・∀・)イイ!!のである。