かものまいはうす−−江利チエミ

 でもって、このクイズの間にBGMとして使われていたのが、かものまいはうすであった。たぶん“Come on my house”だと思うんだけど、w 私がガキの頃はかものまいはうすだとみんな思っていた。番組的には、みんながスタジオに持ち込んだ私物について、こっちへおいでと、映画『催眠』の菅野美穂仕様でゆっていたのではないかと思うのであります。でもって、かものまいはうすといえば、江利チエミであるわけであって、雪村いずみ美空ひばりとともに元祖3人娘だったりするわけでありまして、また、あの高倉のケンさんの配偶者であったことでも有名であります。芸能人とかが、配偶者を「ダーリン」とかゆいだした元祖が江里チエミで、それをまねて美空ひばりマイトガイと結婚したときに「ダーリン」とかゆっていたのは懐かしいと、うちのバカ親たちがゆっておりました。いろいろあってケンさんとは離別し、その後酒におぼれ、「酒場にて」などの名曲を遺しつつも、スマッシュヒットかちんこちん名曲の「テネシーワルツ」の幻影を追い求め、またそれにおびえつつ、痛飲をくり返し、ある日突然宮沢賢治の「眼にて言ふ」のごとく、血を吹き上げて、氏んだと記憶しています。痛飲ぶりのすさまじさは、身体を気遣って、ウィスキーからスピリッツまでを牛乳割りにしていたというすごさからも伝わってくると思います。
 江利チエミは、篠原涼子に似ているとの噂もございますけれども、もう少しアフリカ系っぽい顔立ちで、しかも声はおそらくはゴスペルだとかジャズを歌って、コア南部な雰囲気を醸し出せる数少ない人材であったといわれておりまして、おそらくは進駐軍のベースまわりなどをしていて、大人気になるところから、出発したはずであります。ジャズでもブギでもこなすと同時に、紅白歌合戦に突然和服と日本髪で登場し、「さのさ」を歌ったりするなど、歌手としてすごい人だったのではないかと思われます。明るい雰囲気の人で、サザエさんの実写テレビドラマにもでていたのではないかと記憶しています。リバイバルしても、カチンコチンスマッシュヒットになりはしないとは思いますが、たとえばいしだあゆみの『歴史的名盤』みたいな、意外にすごいのよねとかいうカンジで、なんかでないモンかと思ってみたりもしますが、購買層がおそらく70歳代以上でむずかしいのだろうなぁなどとも思いました。江利チエミはガッツのある声質ではあります。が、ビックママなんちゃらみたいなドスがきいているわけではありません。しかし、繊細な不安定がそこにはあります。そして、ウィスキーの牛乳割りというのは、なんともブルースなことではありませんか。それがバーボンで、BGMが「テネシーワルツ」だとすれば、早熟な天才なんかでないことは、なんてシアワセなんだろうなどと、思ってみるのもまたブルースだったりして。へへ。
 今日は一時間目社会学概論の監督をしたあと、昼休みに新星堂で、「月のワルツ」諫山の新アルバム『恋愛組曲』を購入。新星堂はあいかわらず、アーティストコーナー限定の扱い。まあ、松井五郎作詞の曲などをのぞけば、コア諫山っつーかんじであり、ガツンと来ないのかもしれません。が、レジに行列している私の前の女性もうしろの女性もこのCDをもっていて、おまけのクリアファイル月のワルツ仕様をもらっていますた。DVDと二枚組で3000円で、けっこう得した気分です。そのあとうだうだしたあと、午後は仕事をいろいろこなし、そのあと友だちと会う。そして富士ランチ。カップルが男女とも飯の大盛り頼んでいたのは笑いますた。