近衛十四郎賛歌

 なんてことを書きながら、そろそろ横浜に帰ろうかと思っていたところに友人から連絡。で、阿佐ヶ谷で会い、またまた富士ランチでポークソテーを喰った。実に美味い。年が明けて、仕込がまたさらに改善された気がする。それで横浜に帰ってきた。ブログにお笑いネタでも書こうかと思ったが、近衛十四郎の素浪人シリーズについて質問があり、文か社会学掲示板を探すのもめんどうらしいので、カキコを貼っておくことにした。
 ◆53 名前: い 投稿日: 2003/01/07(火) 01:23ある場所で日本の何がポップかみたいな議論に参加している、つーか℃素人のアテクシは完璧ロムってるだけなんですが、時代劇なんつーものもけっこうポップなんじゃないかなぁって思っているのであります。ワハハなものと言えば、てなもんや三度笠とか、トンマ天狗とか、浪速喜劇がまず思い浮かぶわけですが、私がなんと言っても特筆したいのは、近衛十四郎と品川隆二が主演した「素浪人月影兵庫」、「素浪人花山大吉」の二作品です。私が小中学校のころテレビでやっていた人気シリーズです。映画の「隼奉行シリーズ」(片岡ちえぞうの遠山の金さんで、最後の二段落とし、三段落としの啖呵がなんとも言えないのであります。普通の金さんは、桜吹雪で終わり。しかし、隼シリーズの場合、悪役はしぶとく恐れ入らない。で、金さんは証拠の巻物を突きつける。恐れ入る悪役。そこで知恵蔵はにやっとワラって、巻物が真っ白であることをみせる。悪役く、くそぉ・・・、実に萌えであります。)やテレビの「剣客商売」(山形勲加藤剛のスタイリッシュな時代劇で、音楽がなんとも言えずかっこいいのですよ)などとともに、もう一度見れるものなら見たいと、念願してやまぬものであったのです。それがですね。なんと、スカパーのちゃんねるで再放送されるらしいんですね。これは2チャンネルの時代劇板をたまたま見ていて知ったことで、私と同世代の人はもうたまらないくらい萌え萌えなんではないかと思われます。近衛扮する素浪人と品川扮する股旅者が珍道中を繰り広げると言うとたわいのないように聞こえるかもしれませんが、ともかくこの二人の掛け合いが抱腹絶倒の面白さなんですね。どちらかというと二枚目悪役のイメージが強い近衛のずっこけぶりは、おそらくは祇園遊びなどで鍛え上げられた(なにせ松方弘樹さんのお父様ですからねぇ)一挙手一投足にコクがあり、さまざまな表情をたたえるんですね。そこに「どひゃひゃひゃひゃ」という品川の超下品な笑いがシンクロして、なんともいえないおかしさなんですね。近衛や品川の信頼は、最近ありがちな歯の浮くような相互賞賛によって辛うじて支えられるものではなく、まさにあうんの呼吸であり、しかも一種の諦めみたいなものがそこにあって、国語の授業で尾崎放哉の「咳をしても一人」という俳句を習ったとき、まず思い浮かんだのはこの番組のことでした。それはいささか的はずれではあったでしょうが、当時は全共闘華やかなりしころであり、木枯らし紋次郎だとか流浪の旅人のイメージは時代の産物であったのかもしれません。しかし、この番組は、紋次郎のリアリズムとは違い、あくまで東映全盛期のスタイリッシュな様式美を堅持したものであり、しかしそれでいながら、人情チックべたべたかんのないサラッとしたものであって、笑いの質もめたくそスラップスティックな部分があったんじゃないかと思います。そしてなにより、近衛十四郎の殺陣は半端じゃなく凄いものであって、というか当時の殺陣というのはものすごい水準だったらしいんですけども(というのは、超絶映画オタだったアテクシの父親の証言)、ともかくものすごくかっこよかったんですよぉ〜。ここに品川の無手勝流の股旅剣法がシンクロするというところがまたすばらすいんですよ。ともかくスゴい番組が再放送されるものです。これはマイナーな注目しか集めないようなものではなく、けっこう多くの人が楽しめるンじゃないかと思います。証拠に一つサイトを紹介。英語もあるんですよ。このサイト。そしてこの人は再放送に大喜びしています。◆最近のそのサイトより。主演松方弘樹との親子共演。「中仙道のつむじ風」について。

「中仙道のつむじ風」本編(このちゃん脇役だからこっちが脇道編か?まあいいや)もう、悪役・門倉のこのちゃん、最高の極悪人です!容赦ない杖の応酬、このちゃん本気です!速い!迫力です!動物的な唸り声、不気味な笑い、無表情なお顔、恐いです!悲鳴をあげて逃げ回る百太郎(松方さん)がリアル!あの場合、かろうじて逃げるしかないっすよね。(一度くらい当たったか?)松方さんでなくても、「ほんとに親かい?」と思ってしまうほどの憎しみを全面に出した、息もつけない親子対決です。百太郎が門倉を倒したとき、当時の映画館では拍手が起こったそうですが、納得です。ちょっと動きが止まった時まで、次は何が?と、恐い。
http://www.geocities.jp/konoejsr/ 

 「このちゃん」呼ばわりで萌えまくってますが、近衛十四郎を中心とした一大東映時代劇サイトになっています。このサイトは私が上のカキコを書いた当時CSの素浪人シリーズ再放送祭りで萌えまくってました。2ちゃんで素浪人祭りやっていたのも、この方たちだと思います。そして今は、いろんな再放送や再上映をリストアップしてあります。ソニン真鍋かをりの最強女子プロレスタッグもみたいけど、素浪人リメイクも見たい。しかし、ギャグはできても、殺陣になるとあれだけキマる元悪役って、あるいは悪役じゃなくてもいるのだろうか。。。ヤクザ映画系。白竜。中条きよし。ミナミの帝王。全然違うと想う。西部警察だと、長崎ブラブラといっしょで、松竹梅CF仕様(先輩同居人童話作家氏談)になってしまうし・・・松方さんでどうだってかんじかな。