スカボロフェアー異聞

 スカボロフェアーと言えば、イングランド民謡で、フォークローレにはまっていたS&Gがフカーツさせ、『卒業』の有名なUCバークレーのシーンで流されます。今だ卒業できていないかもしれない私、と言うか私たちにとって、青春の音楽フォーエバーなのでありますて、精神的に疲れたときに猛烈に聞きたくなるのです。でもって、ベスト、BGMなどいろいろ聴いているうちに、結局はまたもやVita Nova の『OPUS』に手が伸びるのであります。都内中を探し回り、なくて、そして結局手近で再版されたものが手に入ったというなんという幸運。「Greesleeves」なども入ったお買い得の一枚。「The Moon isn't Here」などは、新作とは思えない。たとえばグレゴリオ聖歌だとかを聴いた場合でも、なんだか感じてしまう猛々しさを、解毒したような、ほんとうに落ち着いた気持ちになる作品です。しかし、かといって、レムリアアイランドのような速攻胃袋キュルキュルなやばさもないし、ひとしきり聴いて、ささくれだった気持ちがゆるゆると流れてまいりました。一連のVita Nova が手に入り始めた頃の感激をしたためた書き込みを貼っておきます。しかし、カキコにある『らうる』は上に書いたように入手しているのですが、『しののめ』はいまだに入手できないでいます。
 ◆176 名前: い 投稿日: 2003/09/27(土) 02:51 ちょっと必要があって、キルシェをぐぐりましたところ、このユニットがかなり前から独自のホームページを持っていることを知りました。なかなか美しいサイトで、早速ブックマーク!!プロフなどを読んでびっくらこいたのですが、キルシェってザバダックコピーバンドとして出発したんですね。納得というか、ならモロもわかるわぁーーってかんじですた。Voのみとせのりこオリタっていうユニットつくって、フィルっていうミニアルバムっつーかマキシシングル出したのと、ザバダックの吉良がSongsっていう、まさかトリビュートとは思わないけど、コンピレーションっていうか、ともかくアルバムつくっていて、そこにみとせなんかがさんかしているということで、この二枚を買うために渋谷のタワレコへ。そしたら、フィルはあったので、即買いました。リズムな不安やノリはなく、ピアノさらっとひいて、おなじみのメロディーラインでサクッと歌っているというカンジの気持ちのいい小品でございました。Songsのほうはなくて、まあこれだったら吉祥寺の新星堂にもあるかもなぁと思い、本日出直して買いにまいりましたところ、やっぱりそれはありませんでした。しかし!!都内中探し回っていた、Vita Nova のアルバムがプレスされてまして、『ancient flowers』と『ラウル』をついについについについについに・・・ゲッツ!!ベスト版の『オーバス』と、おそらくアテクシに一番ツボであろうはずの『しののめ』はありませんでした。(後者は、ブロードバンド契約したときに新しいメアドにしちゃったくらいなんですよね。明日土曜日だし、『オーバス』と『しののめ』を探しに出かけようかと思っています。論文や本や学会報告の原稿もあるんだけど・・・)。まあそれでも、ともかく念願のアルバムを手にして万感の思いです。Voで参加している上野洋子は、みとせのりことも、白鳥英美子とも、遊佐みもりとも、新井昭乃とも、えりともちがっていて、一本筋の通った歌声で、やっぱこれだよなぁ・・・っと思ったのでした。どの曲もマイフェーバリットなツボなものでしたが、一通り聴き終えて、一番印象に残ったのはなにかといわれれば、とりあえず気合いで、「スカボロフェアー」だと言っておきたいと思います。なって言っても私たちの青春の歌だし、今回の再結成はさすがに萎え萎えかもしれないもののS&Gのアルバムはここのところだけすりきれるんじゃないかというくらい聴いたものです。ポールの魔術みたいなギターだとか、映画『卒業』のUCバークレーのシーンだとか、まっすぐに突き進んだ思い出がほろ苦く・・・って自虐的紋切り型はともかく、このアルバムのスカボロは、主旋律にシンクロする伴奏を主旋律にしたみたいなカンジで、上野洋子が「らしく」つくりあげてます。実は、上野、上野と言うのは問題で、あくまで上野はゲストミュージシャン。V.N.は吉野裕司のユニット。でもイイと思うのはたいてい上野が歌ってます。わら。Early Music というコンセプトには、まぜまぜ&マイナー指向充足という以上の理屈はないんです。強いて言えば、小さなスペースでライブして・・・みたいなところでしょうか。童話風の風景は、今のところとりあえずなぜか巨大都市の小スペースに異様に似つかわしく思える。地方都市のスペースは、ふさわしいはずなのだが、今のところ想像もつかない。と思ったら、一つだけ例外。岡山大学の近くにあったペールメールっていう定食屋。ふつうの民家を改造下だけのお店で、すぐ横は田んぼだけど、こういう音楽かかっていたらすごく(・∀・)イイ!!と思うなぁ。まだあるのかどうか知らないけど。◆
 ペールメールは私の言っていた頃は、おっちゃんがパートナーとやっていた。フランス語が堪能なお二人。童話だとかが似合う空間で、そういうものに渇望する大学生たちが多数訪れ、たまにはパーティーなどもしていました。私のようなほっておいて欲しい客には、あまり話しかけてくることもなく、いい店でした。