「大希林」危機一髪

 ちょこっとばかり前の話だけど、ゼミの卒業生と同期会をして、そのときひとしきり話題になったのが、NHK教育の「大希林」であります。土曜昼のわずか十分の番組。正しい日本語、日本語今昔、今どきの日本語などを、弥勒樹木希林と三木さつき=実名の2人がなんとも言えぬ間で紹介する番組。見てない、っつーかシラネとゆったら、「まじ?」「だめじゃん」「ヤキがまわったんじゃね?」「すっかりぢぢいだよね」とか、あしざまにゆわれ、馬路ムカツクとともに、情けねぇきぶんになりますた。しかしこの番組、こんな番組なのに演出久世光彦だったりして、なに考えてるんだかわからねぇけど、すげぇ番組だと思うし、やっぱ樹木希林とは例の「ジュリ〜〜」トゥイストトゥイスト以来の中なのかねとか思ったりもして、まあともかく林檎殺人事件のデュエット、時間ですよのはまさん、富士フイルムのCFなどなど、さすがはもっくんの姑、ゆーやさんのツレっつー雰囲気を凝縮した番組になっておりまして、気づけば見るといったぐあいになっておりやす。しかし、むかしは教えても教えられることはなかったのに、とかゆうようになったら、どう考えても人間やきがまわってるよなぁ・・・。
 その大希林が乳ガンで、(◎)(◎)切除したことは、なかなかのニュースである。ゆーやさんは「ろけんろーるのみちをぎゃくもどりはしないけど、心底お見舞いする」みたいな直筆メッセージを寄せている。ほんにんも、しゃあしゃあとしていて、(◎)とったのかとゆわれて、「んなもんとっちまっただよ、Tシャツ着たときじゃまなだけ」とかシラーとゆってる。「ババシャツぢゃねぇの」とかツッコミ入れるタイミングすら失う静かな気迫が伝わってくる。で、「遺書も書いた」だとか、ある意味宮尾登美子もぶっとぶような、っつーか、それをへんなふうにしたみたいなシュールな気合いである。あと、これがなかったら、ブーケットで津波で氏んでいたかもしれねぇってかんじらしい。そういうこともあるんだねぇ。長生きして、北林早苗も顔色失うようなすごいところを魅せて欲しいものである。いずれにしても大希林危機一髪であったわけである。