マサカリ兆治が野球殿堂入り

 むかし球の速い投手なんていうと、『プロ野球入門』とかゆう本などを読むと、ぢぢいの評論家かなんかが、一番はベイブルースなどをきりきりまいさせた戦前の沢村栄治、次が400勝の金田正一の全盛期、三位が高校二年でプロ野球に入った時の東映フライヤーズ尾崎投手・・・なんて書いてあったわけだけど、まあそれは見たことがないからわからない。プロ野球ニュースでやるまでは、セリーグしか見られなかったからだ。
 自分で見たなかでは、いろいろ早い球を投げる人がいた。全盛期の江夏豊はかなり早かったと思う。外角の速球は王貞治のスイングでも流し打ちになってしまうカンジだった。たしか、オールスターで9連続三振奪取したのは、少し衰えてからの話である。8連続三振で、最後にカーブを投げてゴロを打たれた、いかにも「らしい」江川卓の球は、早いというよりは高めにぶぅ〜んと生きた球が伸びてくるかんじで、本人も言うように速い球にこだわっているカンジではなかった。あまり言及する人がいないけど、パリーグ時代の野村収の全盛期の球をオールスターで見たときはぶっ飛んだ。江川の高めの伸びが、真ん中に入ってくるカンジで、凄みのある早さだった。広島の外コバだとか、巨人の堀内だとか、いろんな早さがあったと思う。
 ロッテの村田兆治は、五十をすぎた今でも140キロ以上の球を投げることで有名だが、そこから考えても若い頃は馬路すごかったことはわかるだろうし、最速などと言われた時期もけっこう長かった。村田は、ともかく最初は球はやたら速いがノーコンという、よくある話だったわけなのだが、「昭和生まれの明治男」と言われた頑固一徹、無口で黙々と鍛錬して、真っ向から投げおろすマサカリ投法を開発し、さらにフォークボールに磨きをかけ、故障をしても、手術をし、鍛錬して17勝をあげるなど、馬路すごかった。ものすごく早い球と、鋭角的に落ちるフォークと、ダイナミックなフォームとで、ものすごい人気があった。地獄から、黙々とカムバックした姿は、多くの人を感動させた。草野球で、フォームを真似する人多かったよなぁ。ワシも、真似して「江夏か?」と言われた。(晩年の江夏は太っていたのである)。まあしかし、テレビで物真似をして、ウケルのは、巨人→阪神小林繁投手だったりする。さんまちゃんはたしかこの物真似で出てきたんじゃないかと思うんだけど。
昔のロッテには、打っても3割の成田とか、炎のエース木樽とか、面白い選手が揃っていた。っつーか、パリーグは面白い選手多かったと思うよ。そういう面白さは、福岡出身の西鉄ファンの友人@寮に教わった。若き東尾投手などは、20勝しても、それより多く負けたりしている。でも、たいして点がとられていないワケよね。でも打てないから、負ける。それでも、もうえげつないシュートで向かって行く姿は、萌えるものがあった。
 でさ、巨人の阿部慎之介はかなり面白い選手だと思うのだが、「最高です」にかわるキメぜりふとして、「チョー最高です」を採用するらしい。今日インタビューで「北島選手に対抗して、チョー最高ですと言うことにしまスタ」とかゆっていやがる。そんなんでいいのか?ううう。なんか違うと思う。でも、そういう椰子が、べそかきながら、スーパープレイをするのが今の姿なのだろうか。村田兆治にカツ入れて欲しいけど、なにもいわなそうだしねぇ。