マーク・ノプラーのダイアストレイツというと、80年代のＭＴＶをちゃかしたうたなのに、なぜかそれが代名詞みたいにもなっちゃっていたりする。バンド名は、「金ないっす」みたいな意味だったと思う。苦労人というのは、マーク・ノプラーの代名詞かもしれない。ばんど名も変えているし、まあ五木ひろし。ひろしといっしょで、いいし、うまい。でも、なぜかはばかられた。Sultans Of Swingを聴いていたら、「何が悲しきサルタンだよ」とか学生に茶化された。まあ、確かに「悲しきサルタン」はへんだ。貧乏体験歌にした、ヒロシみたいな歌だったと思う。音楽なんて今も昔もたいして詳しくないから、そうだったのかーと素直に納得した。デビッド・バーンなんかとはちがい、人前でイイというのをけっこうはばかっていた記憶がある。っつーか、通ぶった学生に馬鹿にされるのがいやで、見栄はって、たいして聴いてもいないのにスクリッティポリッティだ、ＸＴＣだ、トッドラングレンだなんだかんだと、わめきちらしていた。でも、実は一人になるとダイアストレイツを聴いていた。キーボードがギョワーーーんとして、ドラムがボコボコボコ、でもってギターが独特の刻み方で、しわがれたボーカルが始まる。ちょっと腰をひき気味で、疾走とか、トリップとか、ハードとか、そんなのりではないのだが、独特の味がある。これを聴きながら、よく岡山の街をちゃりで走った。学生に馬鹿みたいにおごった後なんかは、実に適切だと思ったりもした。
恋人と別れたばかりの30がらみのあんちゃんが、中央線の特別快速にのる。ぐんぐん加速する特別快速。両側の車窓からは、杉並の風景が。入り口付近に四日飼ったアンちゃんは、テレコのスイッチを入れる。キーボードがギョワーーーんとして、ドラムがボコボコボコ、でもってギターが独特の刻み方で、マネーフォナッシングが始まる。中央線がぐんぐん進む。こんなラストシーンを妄想しながら、海老天を見ていた。自分の非才に、リバースしそうになりながら。言うまでもなく、オープニングは、ジッタリンジンだよ。プレゼント☆何でこんな自虐的な話を吐露しなくちゃいかんのか。それは、岡山に来ているのである。会議と講義と、あと調査法の説明を補講チックにして、荷物を持って電車に飛び乗った。のぞみの車中で、ＭＤを聴いたのだが、持ってきたのが80年代の懐かしい曲ばかり。袋にあったまんまなんだけどね。偶然の選曲。アンナ・ドミノ。シンディー・ローパー。徳永ひであきの桜、これはよいよね。じつによい。リバイバルしてほしいくらい。あとサザン、シャーデー、スティング、あとホッピー神山のいたＰＩＮＫなどなど。できすぎた話だけどほんと。
岡山に着いたら、まずチェックインして、メシった。まあ季節だし。カキ。なじみの料理屋はしまっている時間だから、こりあん料理へ。でもって、ちぢみとなまと煎というのを喰った。あとにんにく丸揚げ一個。おいしかったよ。マジ。でもってちゃりんこをこぎながら、マネーフォナッシングを聴き、ネットカフェに向かったのでした。
