台風の日に泳いだ日々

 台風がやってきた。アテクシは、昔から台風が来ると、気もそぞろになる。というか、エマージェンシーヲタというありがたくない異名もあるくらいで、学生が病気になったとか、どっかで災害があったとか、そういう緊迫した状況のなかにあることは、もちろん人の不幸は「蜜の味」などというつもりもなく、人並みくらいには心配するものの、緊張した状況の中で、アドレナリン分泌しまくりで、問題解決をする−−ふりをするだけしにても−−ようなことは、かなり好きなのである。これは、うちの一家そろってのことで、近所で火事とかあったりすると、もう大騒ぎ。夜中でも、一家揃って見に行ったものである。付近の椰子らもみんなそうで、まさに火事とけんかはなんとやらなのである。もっとも、最近は、新聞に載らない発砲事件が近所であったみたいな、噂もあるけどね。馬路かよ。
 昭和30年代、小学校では貧乏人のガキのために夏のプールとかやっていた。まあ一種の非行防止もあったんだろうけど、親がレジャーとかにつれていけないような家のガキが夏休みに学校のプールに行って泳げるの。アテクシはもちろん毎日いった。「こういうのだけは皆勤なんだからね」とかゆって、先生にほめられたのは、けっこううれしかった。そんなとき一回台風が来た。アテクシたちは、どーせぬれるんだから、たいふうもへったくれもねぇだろと、暴風雨のなか、学校のプールに行った。親もいっといで、みたいなカンジで、ガキたちもガキたちなら、親たちも親たちだった。で、学校に行ったら、誰もいねーの。「ケッ、泳げねぇじゃん」とかゆっていたら、プールの係の先生が「てめーらはくると思ったよ」とかゆって、昇降口のところに出てきた。「ばかじゃねぇの、おめぇら」とかゆって、ずぶぬれの頭をわしづかみにしてアイアンクローしていった。「泳がせろよ。来てやったんじゃねぇかよ」とかゆっても、「ばーか、台風の時は泳がないの」とゆうので、「濡れるならおなじじゃねーかよ」とゆったら、「台風は波が立つんだよ。波浪警報だよ。波にのまれて溺れたらどーすんだよ」とゆう。「馬鹿じゃねぇの。プールは海じゃねぇよ」とか言いながら帰った。若い教師は「明日は来いよ」とか言って見送ってくれた。超馬鹿教師だと思う。最近こういう味のある馬鹿がいなくなったね。自分を安全な位置において、賢そうな顔をする椰子には、虫酸がはしる。別にバブルガムブラザースの「Beautiful People」を愛唱しているわけでもないんだけどね。大学に入ってからか、市民プールで大雨の日に泳いだことがある。
 今日は教授会。台風なので、5時限目は休講になったらしいが、教授会は中止にならない。大学院の会議まで、ガッツリやった。たいした降りじゃない。自転車で帰るんですかという人もいたが、岡山だと、自転車は全天候型。かなりの風雨でもみんな自転車。カッパもっている人も多い。おまけにこぐのがものすごい早い。ぶっ飛ぶよ。あの早さは。一緒に併走なんてできない。岡大筋の通学路なんてもうびゅんびゅん。まあだから、このくらいはなんともない。夕刻の話だよ。直撃したら、やっぱやばいだろうけどね。で、早めに帰宅し、歌謡番組を見ながら、ぶろぐ。ポルノが出ていて、「シスター」歌っていたけど、やっぱこれ「木枯らしにだかれて」ににてるよなぁ。
 さて、もう一息ついたら、仕事して、ジムに泳ぎに行くかなぁ。すいているだろうなぁ。