カルカヤマコトと早瀬優香子

 この夏も例年と同じように元町プールに行きがてら、横浜市中区を歩き回りということをしたのだが、途中元町のタワーレコードによることが多かった。そこでこの夏のマストみたいなあいかわらずの言い回しで、7月頃に大プッシュしていたのが、Jammin なダンサブルレゲエで、大きなコーナーつくって、いろんなものが試聴できるようになっていた。そのなかで、ひときわ目をひいたのは、『GAL anthem』@カルカヤマコトでありまして、公式サイトにもあるような次のようなふれこみがありました。

 ダンスホールリスナーからの熱いリクエストに応え「GAL ANTHEM」をシングルカット。エレファントマンなどのプロデューサーとして注目のQ45とタッグを組みすでに話題となっているこの作品、今回は廃盤となった米国盤にのみ収録されていたバージョンも収録。そしてもうひとつの目玉として、ついにファンからの熱い要望に応えカルカヤマコトが出演で話題のCM日立「iVDR」のCMソング「HAPPY BIRTHDAY TO YOU」を収録し緊急リリース。 あの誰もが知っている「HAPPY BITHDAY」をカルカヤ流にカバー。アレンジはCMソングの天才「三宅純」。 しかもこの名曲2曲を超人気レゲエコンピ『DJ VIBES』シリーズのDJなどダンスホール界でいま注目の"DJ BANA"がスペシャルミックス!と話題の尽きない、カルカヤだからこそ実現したこの内容。

 限定版!今買っとかないとダメポみたいだったので、とりあえず試聴。アテクシにとって見ると、れげーなんてさ、せいぜいボブ・マーリーくらいしかシラねぇし、一番いいのは『コンクリートジャングル』とかゆって有識者にバカにされたくらいだし、最近までJレゲエなんて聴かなかったのに、『ぼくんち』のなかの超逝ってよしなシーン*1とファイアーボール*2をファクトリーでみたりして、ちょっと関心をもったくらいだったわけです。
 じゃあなんでカルカヤかというと、ボーカルがだる〜なちょっとアンニュイなげやり系ボーカルだったからです。私はこの系列がけっこう好きで、その昔ステイシーQというめっさ軟弱な女性ボーカルが(・∀・)イイ!!とかゆって、バカじゃね、だいいちうぃすぱーじゃねぇじゃんとかゆわれたりしました。原点は、なつかしの70年代ポップスであるところのシルビア「ピロー・トーク」、そしてだいぶ後のキャッシー・クラレの「IL」であります。後者をカバーしたのが、早瀬優香子『薔薇のしっぽ』であって、非常にコアなファンがいたアーティストでありました。*3だるーって、やめちゃっていたのが、「復活委員会」が勝手に結成され、特に話題もなくすぎさったものの、ファンサイトなんかは根強くやっているみたいでして、この息の長い着実さは、かの小川範子ファンクラブに迫るものがあるとすら言えるように思います。それは言いすぎかなぁ。でも、ファンは早瀬の「IL」を本家キャッシー・クラレにきかせて、(・∀・)イイ!!気に入ったみたいな言質とったりしていて、かつキャッシーの活動も紹介したりして、すごいものがあります。一言で言えば、フレンチポップスですかねぇ。
 私も活動休止前の早瀬のCDはすべて所有しておりますし、「復活委員会」がつくったCDももっていますけど、なんかもの足りないものがあったわけです。そこにパカッとはまったのが、「GAL anthem」で、それがレゲエだったということだけです。ぶっ飛ぶのは米国版も日本語で歌っているところはかわらないの。でもって、コーラスバージョンというのが付いていて、なにかと思ったらこれが、言ってみればカラオケなのね。これってやっぱ、ダンスホール仕様なんでしょうね。レゲエブームはねらったほどではなかったんだと思うけど、いろんなものが出てくると楽しいよなぁッテ思うのでありました。
 しかし、一日中うだうだしてしまった。外出はパン買いにいったのと、回転寿司行っただけ。原稿にかかり出すと、ブログの他に、何年かぶりにゲームとかもはじめちゃって、甚だしい現実逃避でございます。 

*1:この映画の、グサッときたシーンのバックに流れていたのは、いずれもKAJA&JAMMIN'の曲ですた。いわゆるひとつのなにわJレゲエっつーわけなんだけど、昔ちょっとだけブレイクしたMバンドをちょっとばっかし泥臭くしたかんじかなぁ。いでたちはじぇんじぇんちがうけど。なにわ音楽シーンに日本語こだわり系Jれげえってだけでも、けっこう萌えるものがありますわね。「Don't Stop the Music」というのがたぶんスナックでコウイチ君が踊り狂うシーンの音楽。ぶんちゃぶんちゃ♪昭和っちゅーより、大正デカダンスエログロナンセンス風、レゲエそれともジンタっつーみたいな音楽にあわせ、酔っぱらって、あんぱんかじゅんとろでテンパっちゃってるコウイチ君がうつろな目で虚空を仰ぎ、一心不乱に踊り狂う。非合法商品の百貨店、つーより万屋かな、を島でやっているコウイチ君は、「混血」で、不幸な境遇で・・・って、ここまで紋切り型羅列するとけっこうシュールだったりしてとか、見苦しい自己弁護はともかくとして、必死にテンパってるコウイチ君の忽然とした薄幸の表情はけっこうトラウマなのです。次が、コウイチ君に一太がヤキ入れられて、みずきありさが、「子供になにすんだよ、払えなかったら、この私が●●●で稼いで返してやるよ」って啖呵を切るシーン。●●●はなぜか関西風3文字じゃなく、関東風なのよね。ほわい?それはともかく、一人で生きていくという一太とねぇちゃんの情念が炸裂するシーンでながれたのが、たぶん「RUNNING」。この二つが、ものすごく映画を盛り上げていたように思いますた。「DOWN&FLY」ツー曲は、あくどいくらいにギターの泣きが入る曲で、もう痒いところに手が届くってくらいに、ドロドロにあくどくって、℃演歌ちっくなコンセプトを凝縮したような曲でして、コウイチ君と一太が男の友情みたいなものを交わすシーンの曲で、ここまで聴くともうほんまにお腹いっぱいですわ(旧文化社会学掲示板より)。

*2:こっちは説明を要しないと思います。ご存じレゲエの貴公子。手ぬぐいヘリコプターは、この夏のJレゲエプッシュにおいて、もはやレゲエのお約束になっていたように思います。

*3:ちょっとペダンティックなんですけども。