「宿題を出す」

 「最近のタイトル」みてワクワクして、クリッククリックしたかたもいらっしゃいますかもしれませぬが、アテクシはあまりに日本的な職場につとめるあまりに日本的な日本人でございますから、和を重んじるでござるよ。まあしかし、ぶちきれても[daisensei]一流のユーモアを感じますです。しかし、「宿題を出す」。なかなか流行語的な響きすら感じますですな。たとえば学会で、先達の学説に果敢にチャレンジするような生意気君がいたとする。若い勢いで、ボコボコに先達の学説をやっつける。そこで、どこかの[daisensei]が手をあげて、一言「宿題を出すぞ!!」。
 思い出すなぁ。私の先輩がやったウェーバーの学会報告。同じ部会のとある大学の助教授と見解が対立した。私の先輩は、かけ出しの大学院生。なのに、厚い胸板を突き出して、猛然と攻撃をかけた。これはもう、昔のつるし上げ団交。もう思わず、「ナンセーンス!!」「ヨーシ!!」とか不規則発言しそうになる勢い。若い先生はたじたじ。あんまりやりすぎたので、司会のウェーバー研究の碩学&農村社会学碩学が、間に入ってまあまあまあと、諫めた。ふつうはさ、ここで「すんまそん」とか言って、ちゃんちゃんというのが、日本的っつーもんでしょ。だけど魔術からの解法なんてやっちゃっている人は、逝く道逝っちゃうところがある。*1先輩は、今度は猛然とその[daisensei]に噛みつきだした。最初は、温厚な笑顔を浮かべていた[daisensei]だが、最後は目が怒りに萌えて押し黙った。こっちは野次馬だからさ、いけ〜〜ってなもんですよ。もう、プロレスノリ。部会はシラーーっとして、ちゃんちゃん。そのシメにさ、司会の[daisensei]が言えばよかったんだよな。「おまえイチビってると、宿題出すぞ」って。
 あるいは、別の先輩が大学院生時代に学会報告をしたとき、とある若手の助教授と意見が対立し、先輩はツメツメされた。(・∀・)イイ!!議論だったので、非常に感銘を受けたし、先輩もそこそこ自説をアピールできたし、有意義だったんだと思うけど、わりと痛いところをついていたとも言える。そしたらさ、われらが指導教官だったタケちゃんがね、部会が終わったあと、その助教授のところにいって、「『はんちくな学識でいい気になるな、気をつけろ』と言ってやったんだよ」*2とオー自慢のしたり顔。ここで言えばよかったんだよな。「宿題を出すぞ」とか。で、アテクシが「先生、あの人ものすごく若く見えるけど、あの大学の助教授ですよ」と言うと、タケちゃんは、一瞬目が点に。で、「まじかったかなぁ、ガハハハハは」だって。「宿題だせれちゃいますた」ってかんじでしょうか。
 昔の学会はけっこうおもしろかったっすよ。議論も禿げしかったし。横浜市立大学で学会があったとき、高橋徹氏と正村公宏氏が激論して、五時すぎに終わるはずが、二時間くらいオーバーしてものすごいことになった。これはシンポだけど、個別部会でも報告を40分くらいしてしまうのがいた。ベルならしてもおわんないの。「もうちょっと」とかゆって動じないの。すごかったよなぁあの人。だけど今までで、一番ぶっ飛んだのは、山口大学であったときだったかなぁ。場所はあやふやだけど、一般の部会に来日中のルーマンが入ってきちゃったことがあるんだよね。若手の報告なんかもうそっちのけ。部会はたちまちルーマン先生を囲む会に。かわいそうだったなぁ。報告者。まあでも、いい思い出になったはずだよね。
 「宿題を出す」。ネタの展開を試みましたが、まあ流行語大賞は無理かもしれませんね。ワールドダウンタウンで、ジルがマツモトに言ってもダメだろうな。「マツモト、宿題を出す。タガメを食べられるようjにしておけ」。なんか、さえんなぁ。

*1:とある外交研究所の所長さんもゆってたよね。アングロサクソンとかは、しゃれになんない、さからうなって。

*2:あくまでもたけちゃんの自己申告。馬路ここまで言ったかは不明。