アドマチック@西荻

 集中講義の出張疲れが出ているのかどうかわかんないけど、ぐっすり寝た。うだうだしながら、げんぴさんがついでに録画してくださったアドマッチックをみた。やっぱ西荻だし、気にならないと言えばウソになる。道は細いのばっかだし、めだたないアンテナショップの類はあるのかもしれないけど、大資本の店は少ない。あるにはあるけど、バーミアンにしても、ファミレスにしても、街のスケールにあわせて、等身大の規模に縮小されちゃったりしている。それでもよかったら出店させてやるよと言わんばかりの街には、頼もしさを感じる。のんびりした街、スローライフニューエイジといった、サンフランシスコ=ヘイトアシュベリーなコンセプトと、昔ながらの街並み、下町とはまたちょっとちがうような人と人とのつながりといった「昭和」っつーようなコンセプトでまとめてみますたってかんじでしょうか。自然発生的に生まれたこの街は、けっこう「街の文化」について、新しいコンセプトを提起しているように思われる。コミュニティデザインといった観点からは、すでに三浦展氏などが、いろいろと論じているだろうけど、この番組を観て、あらためてそう思った。別に、ロフトやハンズがなくたって、「いいもの」のあるスローコンセプトな小売店がたくさんある。なかには全国でオンリーワンな専門店や、世界に発信できるようなオリジナル商品を扱っている店がある。どこの田舎町だって、こんな街をつくれそうな気がしないことはない。でも、地方都市の場合は、そういう街をぶちこわしてしまって、大資本でガンガン都心再開発、郊外開発などを行い、街を結局弱体化させてしまっているような気がする。もちろん、<西荻>というのは、ものすごく便利な場所にあり、しかも東京の一千万以上、周辺を入れると二千万とも言える人口、そして全国からの無数の上京者に支えられていることも忘れてはならないだろう。付近は高級住宅地で、学生なども含めリッチ層が居住し、客単価も高く、薄利多売の必要もない。雇用不安を抱える地方都市とは比較できないようにも思う。しかし、それでも地方がまったくダメポというのではないだろう。岡山の街なんかをみると、クラシックCD専門店があった禁酒会館なんかが改装されて、フリースペースだとか、喫茶店だとか、いろんなものがつくられている。あるいは、都心の小学校跡がNPOの拠点とか、フリースペースに利用されたりしている。こういうニューエイジなコンセプトと、たとえば臼杵尾道といった街のありかたをながめていると、なかなかイケているかもしれない街の文化みたいなものを、肌で感じることもある。大資本も、ショップも、土足で踏み荒らすような出店するばかりな能じゃないンじゃないかなぁなどと思った。そんな甘いモンじゃないという罵声は、甘受する用意はあるつもりだけど。
 で、西荻だけど、戎、真砂、キャロットなど、うちの学校でもおなじみの店も紹介されていた。はつねがねぇじゃんとかおもっていたら、最後に幸楽のマスターが言及していた。あそこを紹介しないとね。めったにやってないけどね。っつーか、ラーメンよりタンメンが美味いんじゃないの?ラーメンなんか喰ったことないよ。のらぼーとかは、紹介されなくてほっと一息。混んで欲しくないモンな。他にも、いろいろ紹介されてなかったけど、さほどに西荻は論じ尽くせないということかもしれない。真砂のバイトの元締めみたいだった、今はCF製作会社勤務の元ゼミ生のげっしぃさんに、さわりみたいなの教わったけど、「むずいよ」で終わっちゃったしね。馬路こいつ詳しかったモンな。真砂に来る編集者なんかともタメで飲んでいて、酒席で「採用してくれ」とかゆったらしいけど、採用されなかった。アホなんだもん。「小説の作者を答えろ」と質問され、問題『金閣寺』。げっしぃさんの解答「足利尊氏」。二重にちがうやんけ。とまあ、こうゆうたくましい学生さんとかが、ぶいぶいゆわしてのんでいたのが、西荻。たとえばこいつのテリトリーは、こんなみせ。三重県人会みたいななかなかにサクッとしたイイ飲み屋があって、おばんざいとかを肴にみんなで飲んでいたら、そこに帰宅途中のサラリーマンが入ってくる。そして、カレースパゲッティを喰って帰っていった。こんなのっていいでしょ。*1クーポン券もなにもない小売店の自然発生的な集合体は、飲み屋とかだけじゃなく、「ご用聞き」のいる魚屋さん、八百屋さん、酒屋さんなどなどまであって、そこにアンティークだとか、オリジナルデザインショップだとか、*2
 ぶっ飛んだのは、カツ丼の名店。雰囲気のある店だなぁと思っていたけど、まあフツーの店だし、定食と言うよりは中華だし、なんどか行ったけど中華とかしか喰ったことなかった。カツ丼なんて一回も喰ったことなかったよ。そんな何回もいったわけじゃないけど。テレビでするまえに喰うべきだったなぁ。ガイドブックとかみないから、口コミと、飛び込みしかないので、こういうことになっちゃうのかなぁ。知らない店もたくさんあった。カレーストリートも知らなかったし。っつーか、西荻の商店街は「カレータウン」とか発信しないだろうね。やりたければやってくれみたいなかんじじゃないかなぁ。うちの学校も入っていた。みんな受けてくれ。(・∀・)イイ!!街だよ。西荻。でも、「品がいい」というイメージなのね。禿げしく反省。
 ジェファーソンエアプレーンのサムバディートゥラブがBGMにつかわれていたのはゴキゲンだったけど、やっぱライブ版に履いているほうが−−妖しげにボーカルがのびるのびるのびる−−数段イイと思うよなどと、おっさんのうんちく。しかし、アケタの店=浅川マキというのも、サラッと無視して流しちゃうのは、懐が深いというか・・・。

*1:別に東京じゃなくたって、その人次第じゃないの。岡山でお世話になった鮎京正訓氏などは、そういうスペースを発見し、あるいは創造することにかけては、エクセレントなものがあった。(・∀・)イイ!!飲み屋とかあると、そこに人が集まって、楽しい場所になっちゃった。数え切れないけど、特筆すべきは寿司屋かな。岡山の西荻とも言えるような昭和三十年代な街奉還町にあった助六寿司。ここで毎日ビールを飲んで帰っていたのが、独身時代の鮎京氏。ほとんどビールしか飲まないので、おばちゃんが体に悪いとカレーを出してくれて、以後もっぱらカレーを目当てに通っていた。そこに独身教員が集って、持ち込みのさんまを料理してもらったり、いろいろありました・・・。

*2:自転車やオカリナの店などが紹介されていたけど。