花火大会の岡山

 昨日のメシは、オリアンもやってなかったし、そのあと餃子屋だとかいろいろみたけどしまっていて、結局ぼくでんという韓国料理屋へ。もともとは、タン屋ぼくでんという、あぶり焼きの専門店で、さがりだとか、よめなかせだとか、いろいろかわった部分をあぶり焼きにして出す店で、あと当時としては結構珍しく、骨付きカルビアコーディオン状に開いたのを焼いて食わせてくれたりした。石橋凌にくりそつのマスターと、あとふたりの三人でやってたけど、これがコワイ顔でね。まあ言ってみればデビュー前のブランキージェットシティ仕様とでも申しますか。それが、金のネックレスかなんかして、タンクトップの背筋もりもりでけんか強そうなんだもん。すごい感じだったんだな。ところがバブル期にこの店が大ブレイクして、きれいにして、岡山でも名高い名店になっていった。飲み物もそろえ、メニューも豊富になり、なんかコンサルっちょい気もするけど、イイ(ネットカフェだからかおもじがでねぇよ)。ここに行ったのは、昔食っていたものを食いたいこともあったけど、やっぱ岡山の食い物といえば、私はタコにとどめを刺すと思っていて、下津井のタコフルコースだとかもたしかにうまいんだけど、ぼくでんの韓国風の刺身タコはぜっぴんなんすよ。ぶつ切りでごま油みたいなのであえてあって、これがうねうね動くの。そして、独特のうまみがあって。まあ瀬戸内海はどこでもうまいんだろうけどね。
 しかしこれがなく、さがりのあぶったのとかと、あとラーメン食いました。なべで煮てあって。野菜とか入る。昔岡大近くにあり、今は蒜山のほうに引っ越して結構繁盛している木の実という店があり、ここに大学関係者がけっこういっていたんだけど、ここでくわしてもらった兵隊なべというのに似た感じもする。木の実のマスターは旧日本陸軍、ママさんは韓国の宝塚というようなところを出た人で、喧嘩をするとこてこての旧軍人と半日民族主義者みたいで過激な言葉乱発で面白いというか危ないんだけど、このご夫婦が面倒見がよく、大学生にも人気だった。学園祭になると、ビールをカートンで寄付したり大騒ぎだった。まあそれはいいけど、この店は韓国のコアな料理を食べさせる店で、サムゲタンなどは生まれて初めてここで食べた。大なべででかい鳥を一羽つかっていて、よくあるような子なべではない。で、ここの料理に兵隊なべというのがあって、よく食べた。朝鮮戦争のときに、飯ごうでラーメンいれて、野菜やソーセージを入れてなべにしたらしいけど、木の実では豚肉や季節の魚も入ったし、いろいろはいっていた。でもって、ラーメンじゃなくうどんだった。ぼくでんのラーメンは肉と野菜とラーメンで、鉄なべで出る。昔はへろへろめんだったけど、昨日のはこしがあった。
 前置きが長くなった他、今日は花火大会で、学生も落ち着かない。少し早く終わってやったらみんなよろこんでいた。浴衣を着て、うちわを持った若者が帰りの伯備線にはたくさんいた。駅からは大混雑。ハレな気持ちで、みんな高揚しているかんじ。花火をみないで、町をうろついているのもいるし、まあ件をあげてのお祭り模様である。花火は、岡山城や後楽園などのある旭川中州近くで行われる。岡山の風景のなかでも最も美しいところのひとつだ。桜の季節、夏の花火など、四季折々の風景が広がる。水辺の桃君という銅像があり、すっぱだかの桃君が桃をもっているんだけど、桃君のちんちんをつまんで、岡山大学の腕章を鉢巻きにした写真をとって、それでテレカをつくり、恩師佐藤毅先生に贈ったら、ショーがねぇやしだと言われた。つい先日先生の法要で、ご家族に会ったらその話をされていて、さすがにぶっ飛んだ。
 で、花火だけど、私は暑い中花火を見る趣味は昔からあまりなく、岡山の花火も一度も見たことがない。岡大の研究室からかなりよく見えたので、それでいいやってかんじもあった。誘われても行かなかったけど、行っておけばよかったという気もする。多分今日なんかは飲み明かす人も多いだろうし、カラオケなんかも満員だろうね。まあ東京も似たようなものかな。うちのゼミ生なんかも、いろいろ見て歩くらしいし。
 今日はオリアンに入れた。天満屋バスセンター隣接。階段を下りるとそこは昭和三十年代の世界。まったく調度も、空調装置もそんなかんじ。でもって、そんなかんじの洋食が出る。相変わらずすさまじい盛のよさだった。エビフライ二つとわらじのようなハンバーグとオムレツとにんじんとインゲンのグラッセ、ぽてさら、そしててんこ盛りのキャベツの上にオニスラとにんじん。これがお盆のようなプレートで来る。これにとてもおいしいトマト仕様のポタージュ。実は私はこれが好きで、この店に通うようになった。他所にない味。そしてこれ食いたさに、帰岡のたびにここにいく。めっさうまいっす。あとエビフライは当然有頭。そして、頭から尻尾まで食える。さらにデザートとこしーがつく。多かったけど、全部食べた。この店が多いのは、家族連れが多いからだと思う。一人前頼んで親子が分け合う感じかな。ときどきやんきーな若者とかもいるが、なんか親子で来たことを懐かしんできている風で、いい感じである。同僚で大学の先輩だったG先生に教わった店である。「君のデートにふさわしい店を教えよう」と教えてくれた。当時はバブルで、もっと高級店にいっていたけど、この先輩の指摘は正しかったように思う。しかし、花火なのにネットカフェでカキコとは相変わらずとほほなことです。