瀬戸に向かう

 とあるメールリストで、尾道世界遺産にと運動している人がいることを知った。尾道水道の美しさを知る者として、気持ちはとてもよくわかる。その風景が好きになり、それから大林宣彦監督の映画にはまった経緯がある。尾道だけでは、ちょっと無理だというのなら、瀬戸のかぜまちみなとをあわせて、申請するのもいいのではないか。赤穂も、鞆の浦も、海と港と昔ながらの街並みの風景は、尾道に負けず劣らず美しい。あるいはまた、三原から瀬戸田方面に行くフェリーに乗ると、瀬戸の花嫁を口ずさみたくなるような、まさに瀬戸内という島々の景観がひろがるし、宮島、児島下津井、淡路島、小豆島、牛窓など、海の風景の思い出は尽きない。明日から、コメントを下さった「と」様の前任校に集中講義に向かう(講義は日曜休日をはさんで、4日。30日から3日までである)。ともに今は女子大に勤務し、「ボク豚女、キミ畜女」などと、シャレにならないような2ちゃんのりの毒素厨房ギャグで悪のりできる貴重な存在だ。そーいや、鞆の浦に、付近の大学の先生たちと調査の下見に行ったよなぁ。フィールドワークということで、地元の新聞記者の人もついて来ちゃって、オトモダチ感覚かしらと思いきや、「鞆の浦に大学の調査団が入る」なんて記事が載って、ぶっとびますたわね。
 「と」様は、歯に衣きせぬ率直発言の人で、でもウソがないから気持ちがいい。十年ほど前に若者論の本を出したときに、「笑えるけど、読んだあとなにも残らない」などとコメントをいただいた。笑えるだけで充分でござるよ。っつーか、笑ってもらうのが一番うれしいかもしれない。建前上これはギャグのネタ帳なのであるから。本音としては、地方都市の大学で学ぶ人や、地方都市の大学を目指している人といっしょに、人生や、家族や、地域へのこだわりみたいなものについて考えてみたかったということがある。そーいや、この本をテキストにして講義をしたら、一番前でいつも聴いていたぢいさまが、内容を要約した上で、痛快に批判をくれたことがあったっけなぁ。曰く、「遊びの文化なんて講義でゆってたけど、そんなもん国立大学の学生と話して書いただけだろ。あんた中卒とかの勤労青年みたことあるのか?ワシゃそういう椰子らと商売上つきあってきたけど、真面目な椰子らがたくさんいたよ。もちろんしょーもねーのもおったがな。だけど、ともかくそういう真面目に注目すべきだと思うし、それをこれから書くから、気合い入れてみて勉強しなさい!!」。(・∀・)イイ!!答案だったよ。別にぢぢいだからゆうわけじゃない。このぢぢいから教わったことを、ゆっくり考えてゆこうなんて思って、殊勝な気持ちになったからね。今でもこれはときどき、一つの答案の書き方として、一年生のゼミとかで紹介している。この人が卒業したのは、アテクシが東京に来てからなんだけど、なんでも卒業生総代かなんかになり、卒業式ではやんやの大喝采だったらしい。
 そんなことを考えつつ、瀬戸に向かう。颱風が来ていて、講義が成立するのか不安だ。前にも同じようなことがあり、倉敷まで到達したところで立ち往生。しょうがねぇから、駅前でパチンコやっていたら、あとにも先にもないほどの大当たりで、夜までずっと出っぱなし、10万発近く出たんじゃないかなぁ。あのときは。別に期待しているワケじゃないけどね。それはともかく、明日は午前中社会学概論の試験もあるし、早く出て颱風回避というわけにもいかない。チョー不安である。電車がとまったらどないしょ。前に止まったことあるんだよね。新幹線。電車の閉じこめられて。ついたらメシ喰おうと思っていたら、何時間も動かないの。しかも駅じゃなく、駅間だったからなにも買えないし、いつもは売れ残るような例のウナギ弁当もあっとゆうまに売り切れだし、当時は携帯もなくて、電話はもちろん長蛇の列だし、最悪だった。しかし、もう岡山を離れて足かけ9年になる。11年しか岡山にいなかったんだと思うと意外な気がする。
 しかし、ロバートホール今週もくだらねぇ。笑っちゃうよ。いつもの踊るシリーズなどだけど、こんなべたなネタがなんで面白いんだろうって思うんだけど、面白いね。今週は有田も山崎もでねぇのかYOと思っていたら、最後の方で山崎がマゾタ兄弟で登場。はじめ、ダチョウクラブかとおもたよ。マゾタだから、まぞなわけだけど、これみて芸の傾向性が、ジャンピングドアよりこっちのほうが、オーソドックスであるような気がした。芸達者な劇団一人なんかは、芸自体はクラシックなまでにオーソドックス。ただ、間の微妙は、水戸黄門の印籠みたいな予定調和じゃないよね。あたりめえだろうけど、ししゃも太郎とはちがうね。あれはあれでおもしろいけえど。もしかすると若い人とか、笑いの前立腺初期化がすんだ人には、ジャンピングドアの方が面白いのかもしれないと思った。ゲイニンの年令も上なのかな。そうでもねぇか。
 森三中もいるし。二人の殴り合いはワロタけど、もうひとりの黒なんとかはどうしたんだろう。森三中は最初は黒なんとかが一番面白いと思ったんだけどね。腹のたるみが、大島よりトラウマなカンジで。まあ大島は前から面白いけど、村上は最近ブレイクしてますよね。まあしかし、このへんと関西系の不思議ネタ−−たとえば山田花子−−を比べると、むしろ関西のほうが間が「引き」な部分もあると思う。大村えーしょう和尚なんかに言わせれば、関西のほうが断然ゴフマニックっつーだろうしね。上野千鶴子氏も、昔『週刊朝日』かなんかでゆっていた。関東人は本音を知ると安心する。関西人は、本音と建て前の間に注目するみたいな話。マイバイブル小林信彦の言う澤りゅうじ批判なんかもちょっと違うのかなぁとも思えてくる。まあこのへんはソウルフードみたいなもんだからね。良し悪しじゃないと思うよ。
 明日の夜から岡山で、ネットカフェとか見つけて、電話してワープロやエクセルもあることがわかったからひとまず安心。値段も安い。文書はすべてネット上にあるから、ダウンロードしてつかえばいいし。