「静けさのなかで」−−音楽の楽しさ

 今日は誕生日である。だんだん年老いていくこともあり、さしたる感慨はない。「だけど あたいちょっと この夏は 違うのよね ゆうべ買った 土産物屋のコースター 安物だけど 自分用じゃないもんね ちょっと わけありで 今年の夏休み」(中島みゆき「あたいの夏休み」)なんていうト・キ・メ・キもはるか遠い。朝起きて、現代文化学部の試験監督。セメスター制になり、試験が前後期パンクチュアルに行われる。畢竟教員がこれを分担することになり、仕事が増える。困ったモンだが、それも時代の流れだ。やはり学部により若干表情は違う。文理学部はクラッシックでおっとりした雰囲気、現代文化学部は積極的で華やかな雰囲気があるように思う。ファッションは時代時代で変わる。今日の教室には、ゴスだとかロリだとかが若干名いて、ぶっ飛んだ。
 昨日の夜は、ラグ&ピースを見ながら、仕事をし、そのあとうだうだブログを書いて寝た。ラグ&ピースは、ラグフェアがスマスマ風に調味された歌番をこなす。スタンダードナンバー歌唱、ゲストとのセッションライブ&トーク、コントがおもな内容だ。三味線だとか、パーカッションだとか、鼓弓だとか、いろんなものとのライブセッションとトークは実に楽しい。しかし、あの時間のながさで、コントが入るのは若干じゃまくさい。こあなファンなどは、やっぱコントも萌え萌えなんだろうと思うし、なくせというつもりはない。ならもうちょっと放映時間を長くしてもらいたい。せっかく・・・と思うことは一度ならずだった。キリコとかがゲストならコントもいいが、鼓弓や三味線昔の時はほんと残念だった。すますまは歌わないジャン。ほとんど。むかし、夜のヒットスタジオでコントが入るのはなんとなくじゃまくさかった。最近では、テレビ東京の深夜に布施明がやっていた、けっこう大人な−−というか、大阪でやっていた中村美津子の番組クラスのコアな−−マニアックさが売り物の番組で、布施がゲストとコントをやっていて、それによって番組の雰囲気がトリスバーになり、ねらいがわけわかめだった。それは布施が、夜ヒットにおいて、コントに定評があり、ファンには欠かせないお約束なんだと思うけど、なんか歌とトークをじっくりという風にみていると、萎えることが多い。もっとも、モー娘。。。(除くゴキメン以降)がコントをやるのは、それなりに(・∀・)イイ!!わけで、まあ音楽バラエティにおけるコントなんてそんなもんなんだろうね。作品によるのかな。エンターテインメントだしね。
 みんなで歌っておしゃべりするみたいなのは、実に楽しい。別におしゃれな雰囲気じゃなくてもいい。80年代の岡山で、カラオケボックスがライブハウス兼クラブみたいなカンジで、老若男女歌い踊って楽々オールっていうのもざらだった。もちろん、少し大人な雰囲気のものも萌え萌えでござるよ。そんな意味で、時々やるツルベと坂崎幸之助のライブ&トーク番組(テレビ朝日だっけ?「朝まで生つるべ」)は実に(・∀・)イイ!!と思う。一番最初は、飲み屋みたいな空間で、つるべがちょっぴりしゃべって、坂崎がおももむろにギターを弾き出し、歌を歌った。ツルベの秘コウつきまくりの選曲で、70年代の青春が甦る。コアなおやぢ番組だけど、朝生仕様でオールなトーク&ライブは、時のたつのを忘れるほど楽しいものだった。坂崎は、ギターを持って、下北沢の街で、そんなことを時々やっているらしい。なじみの飲み屋に行き、そこにいつもの客がいて、おもむろにギターをポロンポロンで、たとえばホテルカリフォルニアの大合唱。一晩中のどんちゃんさわぎ。さぞかし楽しいだろうなぁと思った。エクゼな消費文化ばかりが能じゃないこともわかる。番組的には、二人でやるのはもったいないなぁと思っていた。ギャラリーもいて、みんなで楽しむような、つまりは下北の飲み屋のような雰囲気で、やればいいのにと。で、次に見たときは、ギャラリーのいるところでやっていたんだけど、下北の飲み屋からの中継ではなく、また飲み屋仕様のステージでもなく、ライブ仕立てになってしまっていた。雰囲気は出ていたけど、番組のむずかしさを、ツルベが一人でトークで背負ってしまった感があり、トークを長くせざるを得なくなったようで、かなり気の毒なかんじだった。疲れているのはありありで、楽しみきれなかった。
 そんなこんなで思い出すのが、岡山にあった。「静けさのなかで」というスナック(というカバーというか)である。岡山大学の英語学の先生に教わった店。十二時前に行くと、渋いカウンターのバーという雰囲気で、たまにカラオケを歌う人もいるけど、まあおとなしく飲むしかないというカンジ。ところが、他の店が引ける頃になると、そこで演奏していたミュージシャンだとか、いろんな連中がそこに集まり出す。十二時を回る頃に、ママがご出勤。でもって、ミュージックスタート♪ってなかんじ。テーブルの下とかに、サックス、ギター、フルート、パーカッションなんでもかんでも楽器がおいてある。これを使って、誰からともなく、「ショー」が始まる。一般客も、遠慮も躊躇もなく、一緒に歌ったりし始める頃になると、踊り出す者があらわれる。で、踊り、そして歌う大宴会となる。スローナンバーでダンスをし、じゃあ今度はオレがって、カラオケを歌い出す奴もいる。歌が下手なのもご愛敬で、大拍手してくれる。いつもはむすっとした米文学のT先生も、そこへいくとゴキゲンで「和むんですよね」とか語りながら、カントリーをうなって聴かせてくれた。これが絶妙にうまくてびっくり。じゃあ今度は私がと、ピアノで浜田真理子みたいな、ブルースを聴かせる客も出てきたり。アテクシは気後れして歌えなかったけど、週末になると、いつもオールみたいなかんじで、ほんとに楽しかった。近々岡山に行くんだけど、まだあの店あるのかなぁ・・・。
 東京は、そんな店は年齢や傾向によって何種類もあるんだと思う。ただ、かなり敷居が高いカンジがしてしまう。せめてテレビで見たい。しかし、深夜のおやぢおばん番組はきつすぎると思う。だから、ツルベさん坂崎さんには新趣向をまた魅せてもらいたいと思った。そういう店をいろいろ紹介するような、番組でも、コーナーでもいいから欲しい。まさか、坂崎さんに出張流しやらせるわけにいかないだろうけどね。出前コンサートとか。そんなかたちのスペース探訪あったらいいのになぁ。しかし、なんで深夜は若い人向けの情報番組と、懐メロフォーク&ロックのコンピレーションばったもん買えよごるぁああっていうのしかないんだろうか。めっさ残念です。おやぢおばんむけの情報番組ってなんでねぇのかな。おぢんうぉーかーとかさ。あるんだろうけど知らないから困っちゃう。まあ店も、シニアクラスになるとクローズドだろうしなぁ。ちゃちぃことは、できないかなぁ。団塊世代が一番人数も多いし、金も持ってるわけだしさ。さあ、今日はワールドダウンタウンだよね。みんなマンデラ弟のまなざしに期待しているみたいだけど、アテクシはジルたちが浴衣で出てくるかどうかを期待している。