ほんとはちょっとカ・ゲ・キ

東京女子大学の新キャッチフレーズをめぐり、文理学部の教授会では意見の交換がありました。話題になったのは、学生公募の「本当はちょっと過激」という方です。私は、「本当」かな、「ホント」かな、それとも「ホ・ン・ト」と書くのかなぁ〜とか、「過激」かな、「カゲキ」かな、それとも「カ・ゲ・キ」なのかなぁ〜、ハートマークまでついちゃったりして・・・・、だとか、くだらないことを考えていたのですけれども、「本学は過激派を育成したことはない」と、ユーモラスに、しかしピシッと反論が提起されたのには、さすがに背筋がシャキッとしました。

もちろん、少しでも多くの受験生に関心を持ってもらいたいという「採用した側の論理」というのもよく理解できました。「きゃっちぃ」な「情宣」をするためにいろいろな大学が行っている努力はすごいものであることは、私などの耳にも入ってきます。ある大学は、大学案内のパンフに花の種をつけ、「いっしょにこの種を育ててみませんか」と受験生に語りかけたと聞きます。種をまかない奴は非国民などと言われれば別ですが、少なくともこのような努力を冷笑・嘲笑する側にまわりたいとは思いません。意見の相違はともかく、真摯な意見交換には敬意を覚えました。それを確認した上で・・・・。

サヨク」すら跡形もないと言えるような今日、たとえば「ほんとは旧ソ連時代のルムンバ大学のようにその道のプロを養成してきたちょっと(?)過激な大学」というような誤解をする人はまずいないと思います。しかし、「過激」が「とれんでぃ&きゃっちぃ」かどうかは、意見が分かれて当然かとも思います。落選したという「ネコやタヌキもいます」とかいう方が、むしろゼンエ〜っぽくっていいかなという意見もあるのではないかなと思います。ただし、「過激」は、別の意味で「冒険主義」と言えるかもしれないなぁと思いました。新聞にも載った関西某M学院大学のセクハラ騒動を思い出したからです。

この騒動については、最近受験生向けへのホームページに次のような書き込みがありました。受験現場の意見ですので、ちょっと紹介します。「知っています、この大学。3,4年前に、ここの入試ポスターが『セクハラ』で問題になりました。何でも、入試方式が複数なのをアピールするために、けだるそうな女性の写真に、『どっからでも、おいで』のキャッチを入れたポスターをつくって、ヒンシュクをかったとか(僕もみました)。新聞にも記事になりましたしね。テレクラじゃないんだから。『なりふり構わず』って感じで恥ずかしいね。ここの大学、やたらと広告出しているけど、学費も広告に消えていたりして(トホホ・・・)」(1999年8月24日:Yahoo教育サイト『大学への入学』より)。「過激」は、もちろんこれほどではないことは確かですけれども、似たような誤解はないとは言いきれないと思います。

このコピーは、組合でいただくというのはどうでしょう。「ホントはちょっと過激、東京女子大職員組合」。断交で言ったら効果的だと思うんですけど。いや、このオチ、ちょっと(?)オソマツ。
   みんな仲間だ 働く仲間
   輝く校章 たてよこ結ぶ
   ここに平和と 幸せを
   東京女子大労働者
   東京女子大労働者
  (三池炭鉱「炭掘る仲間」替え歌)
(学内組合誌『アノン』に掲載)