戦国和式韓流ホームドラマ・・・

 『功名が辻』もうみないつもりで、研究室で採点をしていたら、やっぱり見たくなり、お腹がすいたとか理由をつけて、帰宅してみてしまいますた。戦、出世、家族、恋愛などなど沢山要素が詰めこまれていて、水戸黄門にあった弥七、山猿、お銀の活劇はねぇのかよごるぁああとか思いつつも、まあそのうちということかもしれませぬ。西田敏行の「おかか」「おかか」で一世を風靡し、言い回しの点でピンチヒッター松方弘樹の「でんしょ」「でんしょ」の勝海舟と双璧と思われる「女太閤記」と同じかよとか思わないこともないけど、まあこのドラマは単なるホームドラマというわけでもなく、少なくとも今のところは、あることが特徴かと思います。
 なんてぬるい、いかんともしがないドラマなんだろうという向きもあるのかも知れないけれども、恋いこがれる恋愛や、あたたかく、むつまじくある家族の風景などが、わかりやすい切り口から脚本化され、それなりに韓流なんかも意識しつつも、展開の切れ味と早さがぜんぜんちゃいまんねん、どんなもんだいというような才気を感じないこともない。元プレイボーイの津川雅彦が味のある好々爺(やるわけないだろうけどこの人が暴れん坊将軍のぢいやったらいいだろうなぁ、ってあたりめぇか、わははは)やったりして、そしてもちろん空威張りでまっすぐで朴念仁な亭主を、曲線的に、しかし一途な情愛で突き進む妻というような光景において、こうした脚本家の冴えが期待されると思う。そして、実に図式的だし、わかりやすくしようというにせよしつこすぎねぇかとも思ったけど、香川照之筒井道隆の存在は、ぬるさをわかりやすく解毒するには十分だったんじゃないかというカンジがする。
 歴史家とか、日本史松平さんとかが見たら、とんでも解釈だごるぁああと、怒鳴られ、ぼこられそうだけどさ、不治の病におかされた半兵衛が、ケホケホ咳をしながら、青白く燃え上がるの図、そしてとことんくだらない理由のために、寝返って筋を通す三白眼の虚無的な眼はドラマのリアリティをしばしば反転させるようにみえた。ヒューマニズム的な臭みがヌケきれていないけど、ここまではまってみると、ちょっと臭いフェチ的になってきているかも知れないな。w トンデモナイ歴史解釈で書いた脚本で、書ききってしまっているところは、やっぱ作品性と言えるんじゃないかと思う。いろんなものを詰めこんで、かつわかりやすくする。空前絶後の曲芸になるわけだが、その曲芸的状況を逆用して、リアリティをつくってやるみたいなことなのかなぁとちょっと思った。
 しかしなんで毎週みているんだろうか。理由はよくわからない。空威張りのカズトヨちゃんに期待したいものである。w