鬼ワルおやぢ

 ジローラモさんが、ちょいわるレオンにキメて以来、笑っていいともなんかでもやっていて、また貪欲に売ろうというお店も散見され、つーことは、なんとも痛いものが、街頭でみられたら面白すぎると思って、ときおり街を徘徊しているのだが、思わず写メっていうクラスのものはあまりないけど、もしかするとの期待もあり、ワルに限らず、実年、老年サブカルがどんなものになってゆくか、目が離せないよなぁと思う今日この頃でありますが、この前ローリングストーンズの『Bigger Bang』プッシュのメンバーの写真を見たとき、よくみるととんでもねぇ「バビロン」なぢぢいがならんでいるカンジで、これもしかしてベンチャーズの領域に突入する予兆じゃね?東京のビアホールとかで固定になったらやばくね?とか、思うくらいのものでありまして、比較級なタイトルに「必死だな!」などとつぶやいてしまったりして、もちろん買うこともなくいたわけであります。

レイン・フォール・ダウン(CCCD)

レイン・フォール・ダウン(CCCD)

A Bigger Bang [Bonus DVD]

A Bigger Bang [Bonus DVD]

Disk1

1. ラフ・ジャスティス 
2. スローで行こう 
3. イット・ウォント・テイク・ロング
4. レイン・フォール・ダウン
5. ストリーツ・オブ・ラヴ
6. バック・オブ・マイ・ハン
7. 彼女の視線
8. ビゲスト・ミステイク
9. 虚しい気持ち
10. Oh No,ノット・ユー・アゲイン 
11. デンジャラス・ビューティー
12. 孤独な旅人 
13. スウィート・ネオ・コン
14. 猫とお前と 
15. ドライヴィング・トゥー・ファスト
16. インフェミー 

 しかし、数日前に「レイン・フォール・ダウン」のPVをみて、ぶっ飛びました。崩御されたへーかの「あ、そう」と同じくらいに馬路やべーを多用しつつある今日において、まじ腹のそこから、馬路やべーとシャウトしたくなるような一品でございます、コレは。放送禁止になってもおかしくないようなもの。思い出すのは、う〜んと若い頃に、放送禁止になったPVというか、フィルムというべきか、まあともかく演奏の映像。メンバーがニュルニュル裸体の女性と戯れ、曲がスタンビートし、ミック・ジャガーレイザーラモン3倍速でカクカクしはじめ、それが音楽とともに極限まで速度を速める、嗚呼というようなもので、私が見たのはロック史のビデオのなかなんだけど、突然キース・リチャーズが上機嫌でタバコを吹かしながら出てきて、「がはははは、みんな漏れがやるとかゆって、一時はギター五本だったんだからな、氏んぢられねぇばんどだったよな、がははは」とかゆったりするやつで、しかも最後に「笑うしかない」っていうんだから、まぢやべー。
 しかし、「レイン・フォール・ダウン」のPVは、負けず劣らずだと思う。ともかく全編ニュルニュル、そしてミック・ジャガーはカクカクに磨きがかかり、「Hung Up」PVのマドンナみたいにくねくねしまくって、このニュルニュルくねくねがマルティプライズしてゆくカンジ。非常にブルースなワイルドさが、優雅に透明にくねくねにゅるにゅるする。キース・リチャーズがくわえタバコでギターをポロンとつま弾くところがあるんだけど、ブルースからグランジ、さらにはストリートなまでさまざまなるワルの意匠を蹴り飛ばすような鬼悪なやばさがエレガントに歌舞いているという信じられないような光景で、圧倒されます。「グラビアの美少女」のPV−−これも放送禁止だったと思うけど−−は、ゴドリー&クレーム渾身の傑作だと思っているけど、こういう遊び心的なものだとか、初期の悪ガキベロだしイラスト仕様とか、そんなこんなをあざ笑うかのような、生命の迸りが映像化されているように思いますた。速攻アルバムを買いに行きますた。いやまぢ、ぢぢいでもすごいものはすごいと思うよ。