功名が辻

 風邪で朝からごろごろし、本を読むのもしんどい。しょうがないので、テレビを見る。マツケンの番組は、本日公開の有頂天ホテルのキャンペーンっつーわけでもないのだろうが、三谷幸喜監督直々のお出ましであった。戸田恵子も出ていて、三谷作品にはほとんど出ていると聞き、あらま、とおもった。そうなんだね。「台本をみないで出演決めたのこの人だけ」と三谷がゆったのにはワロタ。ほかに三谷に抜擢されありきりの石井も飛び入り参加。オセロの松島がどさくさに紛れて「漫才なんてしんどい。あんなものやらなくてすむようになってせいせいした」とゆっていたのにはびっくりした。
 有頂天ホテルだが、わけわかめな映画だ。名優役所広司だったはずなのだが、ハリウッド作品に尾っぽふってでて、井筒和幸に「Kojiちゃんそりゃねぇぜ。どうにかせーや」と言われたのを思い出し、なんか笑ってしまう。でも一番笑ったのはオダギリジョーであって、メイクにものすげー時間がかかったということなんだけど、それがもう珍妙で、エッグヘッド丸出しのぱっつんぱっつんで、「このまま歩くと誰だかわからない」っていうのよね。昨日の時効警察もそうなんだけど、この人の場合確信犯というより存在自体に妙なフラがあって、それがおかしみになっているところがあるのだと思う。だから、もしかすると時効警察のようなやり方は邪道の極みといわれる可能性もあるのかもしれない。ただ、あまりにオダギリズムがすごいので、犯人に向かって「もう罪には問われない。これからはあなたの協力で・・・」とかゆい、ばらさないからねみたいなカードを書かせるというような、わざとらしい設定をも喰ってしまっているようなところもあるのだろう。そこまで計算しているとすればそれはそれですごいことだ。
 ごろごろしてザッピングしていたら、NHKの大河「功名が辻」一回目と遭遇した。一回目から桶狭間というのはすごいと思う。そして、二回目が別離の河。何度も番組宣伝で流していた象徴的な場面。見せようという気迫あふるるものがあるように思われます。しかしそれにしてもなんでこのどらまはこんなにおやぢばかりがめだつんだ。みんな20代そこそこだろう。鉄や@金パチ、柄本@乾電池、前田吟。しかし、それなりに見せてしまうのはすごいんだろうね。柄本の秀吉は、演出なのか、演技なのかわからないけど、怪演で非常にトラウマなものがある。ドラマの図式が、かなりわかりやすく提示され、みやすいものになっている。
 しかし、信長が館ひろしというのには、おどろいた。ものスゲー顔でにらみつけているの。眼のドアップとかちょっとなぁと思わないことはない。あんまり怖い顔で歌舞伎まくり、能まで舞ったりしているので、シャレ山紀信の「まんなかもっこ館ひろし」「まだまだもっこ館ひろし」を思い出してしまいました。新宿鮫のときなんかはいいなぁと思ったので、この落差はなんなのかなぁと思います。まあ今後どうなるかはわかりませぬが。たぶんテレビでやる時代劇というものの宿命のようなものかもしれませぬ。