『トーマス・クラウン・アフェア』

 新星堂でDVD二本で1980円というシリーズがあり、見ていたら『トーマス・クラウン・アフェア』があったので購入を決定。別にもうひとつはなくてもいいくらいだったけど、ザ・バンドの解散コンサートとフェリーニの映画で迷ったけど、前者にしますた。007のピアース・ブロスナン主演、制作は『ダイハード』のスタッフ、音楽はスティングとかゆうと、映画好きの人は、もうそれだけでおなか一杯、ごめんしてけれってかんじかもしれないけどね。五年ほど前に見たときには、音楽のサントラ盤まで買ったという肩の入れようであり、スタイリッシュなクライムアクションって、鬼はあとだよなぁって再確認しますた。「女ねずみ小僧」「ルパン三世」「ピンクパンサー」「スパイのライセンス」「ニキータ」、あとそうそう「まちるだ」もそうだし、堂々と豪語すれば「ピストルオペラ」でさえも、萌えなんでございますよ。で、この作品ですが、大金持ちの実業家のイケメンおやぢが趣味でスタイリッシュに泥棒をやるという井筒和幸監督流に言えば問題も何もねぇ映画。盗難事件にからむ保険のオプのねえさんが、この趣味ドロおやぢと、恋あり推理あり、いいところまで追い詰めるわけだけど、ゴージャスでかっちょいい盗みに「やられちゃったわねぇ」と大人の笑顔を浮かべるという、笑っちゃうくらいクライムスタイリッシュなもの。
 この映画の最大のポイントは、最後の10分間ですね。トーマス・クラウンがマルティプライズして、お仕事をするんだけど、この音楽が絶妙なのですよ。音楽担当は、ビル・コンティ@「ロッキー」のテーマを担当した人ですよ。ドキュソな負け犬よ再び立ち上がれ系魂鼓舞ミュージックの決定盤、楽天のテーマ音楽にしてぇくらい。やっぱさ、おやぢは巨人なんか応援している場合じゃねぇよなぁ。ロマンを感じるのは楽天独立リーグだよね。なんつっても。主題歌はイングリッシュマンインニューヨーク=スティングでありまして、そしてラスト10分の音楽はニーナ・シモン「シナーマン」という曲でした。しわがれた声のビックママというのともまた違うハスキーボイス女性十八番の曲で、何回も録音しているなかで、このサントラ盤は、ものすごいロングバージョン。オフィスビルからのニューヨークの風景と、ラテンアメリカの街や自然の風景が巧妙にイメージ形成され、芸術思想関係のインテリジェンスチラリズムとも絡ませて、美術オタとか、思想オタにアピールしている面もあるんでしょうね。もちろん、ドキュソも楽しめる、チープな娯楽作品ですね。

トーマス・クラウン・アフェアー [DVD]

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