箪笥−−スタイリッシュな映像美

inainaba2004-12-26

 ひさびさにビデオ屋に行ったら韓流コーナーが新設されていた。パッと眼に飛び込んで来たのは、『猟奇的な彼女』である。ビデオのジャケツは、映画のポスターなどといっしょなワケだけど、この色彩感覚は何度見てもいいと思っていたら、その時に目に入ってきたビデオジャケットがある。それが箪笥である。同じようなコンセプトのものは、日本の映画にもあったけど、多くは思想めかした作為やペダントリーな自己主張が五月蝿く、なんか押しつけがましいと感じることも少なくなかった。しかし、このジャケツは、たとえば『イエローヘアー』の最初のジャケツ、あるいはそのラストシーンなみのなんとも言えない雰囲気、つまりは理屈も知識も吹っ飛ばして圧倒的な存在感のある映像美を感じるものであった。しかし、「ドリームワークスが史上最高値でリメイク権購入」みたいなのが書いてあって、いささか興ざめであった。まあ、別に通ぶるわけではないけど、「呪怨」などもカチンコチン西欧風に理詰めにされそうになったみたいだし、どうなるんだろうかと。概要はめんどーなので引用。

goo:
父に連れられ、ソウル郊外の家に帰ってきたスミとスヨンの姉妹。若く美しい継母のウンジュが2人を迎えるが、笑顔の奥には冷たい表情が浮かぶ。姉のスミは異様なまでに妹スヨンを気遣い、ウンジュへの不信を顕わにした。その日から、家の中で奇妙な現象が起こり始める。姉妹を襲う悪夢、ウンジュの視界に映る不気味な影。不安から、継母と姉妹の関係はさらにこじれていく。恐怖が限界に達した時、スヨンの部屋の箪笥の中で、隠された家族の秘密が明らかになる。

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ソウル郊外の一軒家に、スミとスヨンという美しい姉妹が長期入院を終えて帰宅。しかし、継母は笑顔で迎えるが、姉スミは彼女を毛嫌いし、スヨンは怯えていた。その夜、実母の悪夢を見たことを発端に、その家で怪奇現象が次々と起こる…。
ベースは、韓国の古典的怪談『薔薇紅蓮伝』。これを『クワイエット・ファミリー』のキム・ジウン監督が、独創的な映像美を駆使して映画化。美しいがエキセントリックな姉妹、ヒステリックな継母、謎めいた父が、怪奇現象に巻き込まれていく。全編、息もつかせぬ緊張感が漂い、いつ何が飛び出してくるのかわからない恐怖が映画全体を覆っている。「箪笥」を謎のキーワードにしたのもうまく、この中に何が隠されているのか、扉が開け放れたときに何が起こるのかという興味で、ラストまでグイグイひっぱられること必至。後半の斬新なカメラワークも一見の価値あり。(斎藤 香)

 最初はさ、しのぶのいない『黒い家』とか、横溝とか、乱歩とか、そんなものだろうと思ったんだけど、趣向より映像の美しさに惹かれた。これは映画ファンがよく言う「映像が(・∀・)イイ!!」とかゆうのとはちょっと違う。もっと素朴に(・∀・)イイ!!と思ったということである。ジャケツを見て、「ああこのてあいね」と思われる人もいるでしょうが、それはたぶんちげーと思う。怖いかとか、名作かとかいうことはおいておいて、きれいな映像だということだ。怖いかと言われたら、私的にはたいして怖くない。やっぱ呪怨のほうが怖いと思うよ。あっちの方が笑えるし。もっと言えば、催眠のこっちへおいでのところの方が怖い。小野寺殿下の真珠郎はもっと怖い。あれはもっとも怖いと言ってもいいのだが、リメイクなりなんなりしてほしいなぁ。。。で、箪笥だけど、雑味をとって、もっともっとスタイリッシュにしてもよかったのではないかなどと、勝手なことを思うた。