頼久寺枯山水

 本日は集中講義最終日である。なかに一日休みで、二日二日なので非常に楽であった。四日連続とか、十年位前にやった四単位もの六日連続などを今やったら多分ぶっ倒れると思う。朝起きて、こだわりのじゃこてんと昔コロッケを買い、伯備線新見行きへ乗り込む。そして十時かなり前に備中高梁に着いた。まだ一時間くらい講義までに時間がある。よって、高梁市内を散歩しながら、丘の上の大学まで歩くことにした。南町から高梁市のメインストリートを文具もりぶんの方向へ進む。どうだ歴史的町並みだろってかんじではなく、人々が生活するなかに歴史や伝統が根づいているかんじで、風情はまったく違うが、深川界隈などに近い肌合いを感じる街である。しかし、今日はめちゃめちゃ寒くて、芯から冷えるというか、心臓にくる感じの寒さである。早足で歩いても、汗をかかない。ほどなく紺屋川に出た。城之崎にあるような小さな川の両側に、歴史的な町並みがある。高梁川に出て、ハイデルベルグと言われるにふさわしい風景を写真にとりたかったが、断念して川沿いにある高梁一の老舗旅館油屋さんを写真にとった。黒い木造で、茶色いすだれは一年中変わらない。ここの鮎料理を一度泊まって食べようと思っているが、いまだに果たせないでいる。
 紺屋川沿いに戻り、大学方面に散策。ここはフーテンの寅さんの映画にもでたところである。高梁教会を右手に坂を上り、踏切を渡ったところで左折すると、頼久寺である。小堀遠州作の枯山水の庭が有名で、特に石灯籠は創建当時のままだという。本当にいつ行っても人がいない。こんなすばらしい庭を独り占め。座ってみるお庭なのであるけれども、ボーっとしていると馬路なごむ。そういえば、昔ここで論文の想を練ったなぁなどと思い出した。あまり長居をすると遅刻するので、早々と切り上げて、坂を上った。かなり息が切れる。さすがに坂だと、泳ぐのとか、平地をあるくのとはわけがちがう。多分これでは松山城までは二度といけないだろうなぁと思った。大学についたら誰も着ていない。事務の方が見にこられた。なぜ学生が来ていないのがわかるのか不思議だったが、まあどっかでみているのかもしれない。
 しかし、まもなく学生がやってきて講義は始まった。昼を食べ、午後少しやって、試験のつもりが、講義を延長してしまい、試験の時間が遅くなった。まったく動じないで聞いている。この学生たちなら、びっちりやっても問題なかったかなぁと、少々反省した。採点まで済ませて、岡山に戻った。