毒電波

 下町の話とか書いていたら、久々にとんかつが食いたくなり、上野に遠征した。ほうらいや、双葉などなど、衣は程ほどに薄く、噛むと肉汁がジュワット出るのが美味いとゆわれているようですが、アテクシは衣がバリバリしたみたいなヤシが好きです。今はもうないのですが、よく遊んでいた横浜福富町*1の公園近くにある市場の揚げ物屋のフライ*2が、マイソウルフードになっているからだと思います。*3で、上野はどこに行くかというと、井泉です。*4今日は遅かったので、井泉は閉まっていた。しかたないので、あちこちうろうろしたが、みんなしまっていて、双葉のとなりのとんかつ屋で食う。けっこう美味かった。御徒町から直にマイホームタウンに戻ってめえりやした。桜木町の駅から、実家までは風俗店が立ち並んでいまして、辻辻に客引きのあんちゃんやねぇちゃんがいますが、そこは地元民の迫力で、一人にも声をかけられることなく、実家につきました。
 で、休憩し、事務的な仕事をしてネット。まずキーワード[daisensei]からサーフ開始。で、スネオヘアワックスさんのブログをみると、「毒電波+[daisensei]実名」で「お客様」。「ぼくじゃないぼくじゃない」って、言うじゃなーーい。ふけんみちよし斬り!!ってわけでもないようですが、「毒電波」には惚れ惚れいたすますたわ。快哉至言。学内でも、つとにゆうめいであります。喫煙している学生などがいると叱りつけている。授業もびしびし。囲碁の講義は、一回も出なくても[daisensei]に勝てば優。ただ、[daisensei]はアマ最高位の七段だかなんですね。学内駐輪禁止運動の先頭にも立った。[daisensei]の研究室は、ガラス張りの廊下の2階にあり、その下に自転車駐輪がたくさんあり、[daisensei]は怒り狂っていた。どうしたか。実力行使で自転車を2階の廊下に並べ、取りに来た学生を叱りつけていた。定期的にガラス張りのところに仁王立ちになり、下を睨みつけていた。下に止めていて目があった学生などは、「石になるかと思った」って、ゴーゴンかっちゅーの。
 まあまだHPをみていない人は、見てみるべきだと思います。「毒電波+ユングウェーバー」でググると真っ先に名前が出てくるだなこれが。で、その実名でぐぐレバ逢着します。私思うんですが、「ぼくじゃないぼくじゃない」と言うまでもなく、実は[daisensei]ご自身の巡回ではないかと思ったりもするのです。HPのどこからみるべきかといえば、やっぱエッセイの「麻酔なしの手術」でしょう。抜粋引用します。

手術の当日になって、私はお医者さんに「麻酔なしでやって下さい」と突然お願いした。・・・理由を根ほり葉ほり聞かれないで、「いいですよ」といってもらったのは、私としてはちょっと意外でもあり、うれしくもあった。 ただし「痛いですよー」*5と言って、ニヤッとされたのが不気味ではあったが。・・・麻酔なしで手術したら、どうなるのか、試してみたかった。・・・若い看護婦さんは顔をしかめて「痛いですよー」と、自分が 手術をされるように身をすくめている。いざ手術が始まってみて、看護婦さんが怖がったわけが分かった。その痛いのなんのって、気が遠くなりそうな痛さである。頭の てっぺんに電気が走るような、我慢の限度を超えた痛みである。・・・私が気絶するかもしれないと心配になったのか、頭上でお医者さんの声がした。「大丈夫ですか」。・・・大丈夫であるわけがない。・・・ふと痛みが軽くなったように感じた。やっていることは同じなので、おそらく痛み の神経が痛みに慣れたのではないかと今になって想像する。最近の脳科学の知見によれば、こういう場合には脳が麻酔物質を出すらしい。そのせいか、後半はだいぶん我慢しやすくなった。・・・終わって、看護婦さんが尊敬の眼差しで「初めて経験しました、すごいですねー」と言った。彼女の説明によると、ずーっと恒常的に痛かったの は、「洗濯ばさみのような大きな金属製のもの」で挟んで引っ張っていたからだそう だ。だいたい眼のまわりは神経がいっぱいあって、痛みには敏感なところである。そこを金属製の「洗濯ばさみ」でひっぱっていれば、それは痛いはずである・・・これだけの痛い手術をしたのだから、一晩くらいはズキンズ キンと痛んで眠れないかと覚悟していたら、痛み止めの薬を断ったにもかかわらず、 まったく痛みはなく、その晩は安眠できた。(上記HPより)

 ことはあらかわがらみみたいだし、まあそれはそれで議論すべきでしょう。ただまあ、アテクシは、へなちょこですぐ痛み止めを飲むような人間だということもありますが、こういう文章を書く人には、理屈ぬきで感心してしまいます。ショーペンハウエルニーチェも縦横に読みこなした教養みたいなもんがあって、それでもってなお、ネット時代の[daisensei]ねたにもなっちゃうところが、すごいなぁと思う次第で。っつーか、ありていに言えば、すげぇぢぢいだっつーことね。もうじき定年で麻酔なしなんだから。半端じゃないの。閑話休題。私的には、毒電波ちうことばは、紅露文平にこそふさわしいと思います。そして、文平ちんご推薦のヘルマンパウルのドイツ語辞典を速攻買った私は、やっぱ毒電波萌え系なんだと思います。毒がある[daisensei]は、別分類かもとか思ってきました。とある友人のたわごと。「[daisensei]の特徴追加。色白もち肌」。モロ東北人っつーことやんけ。やば杉。

*1:横浜でも有数の歓楽街。基本はコリアン系でしょうか。夜になるとディープアジアな露店が立ち並びます。ここは昔から歓楽街。小学生のアテクシたちは、風俗店の自動ドア踏み逃げとかして、駆け出しの893と鬼ごっこみたいにしてました。

*2:どこの町にもあるようなフライ屋です。肉屋さん併設ではなく。フライ一筋。われわれ近所のガキがおやつ代わりに喰うようなものだったけど、コロッケ一つとっても、マッシュポテトやカレーでごまかしたようなものじゃなかった。手つきもあざやかな職人だったと思います。

*3:横浜と言えば洋食キムラや米国風洋食センターグリルのとんかつもなかなかですが、前者は衣が薄くて肉も意図的に薄切りになっていてそのポリシーがめっさ美味しいけど好みじゃなく、後者は盛りのすさまじさは西荻キャロットにも負けませんが最近味が安定していなくていまいちです。

*4:いわゆる箸で切れるとんかつというやつ。衣も厚くマイフェーバリット。定食ではなく、おしんこと、トン汁を別注する。でもって、風月堂でお茶を飲み、ウサギ屋でドラ焼き買って、歩きながら喰い、上野まで歩いて、八重洲のブックセンターとかに行く。うさぎやも阿佐ヶ谷の方がうまいという人が多いんだけどね。

*5:スネークマンショー」を聞かずして、これを書いてしまう筆力に脱帽。「痰ツボ小僧」にはぶっ飛んだものです。もはやあれから20年以上か・・・。