『お馬ひんひん』−−教養教育の周辺

 昨日は結局パチンコに逝ったけど、八時過ぎになってしまったので、にゃんともにんともですた。だいたいにおいて新台なんてあいてないもん。しょーがないから、最近相性のいいCR花満開に。あっとゆうまに、普通あたりになり、ドル箱一箱ゲットと幸先よいものの、その後がダメで、もーいーや飯喰いに逝こうと思い、ストップボタン連打。玉はガンガンなくなっていった。ところが、ほとんどなくなったくらいのところで、ボタン押したら画面がキャシ〜〜ンとフリーズ。ブラックアウトなんかしたらやだよ。ワシは悪いことはしてないよ。などと、一瞬昔の悪夢を思い出す。学生時代、マイフェーバリットパチンコプレイスにおいて、同じような状況でオラオラオラオラ!とやっていて、思わずガラスぶっ叩いて、割っちゃったことあって、こわーい兄さんたちに囲まれて、ビビらされた挙げ句の果てに、「あんた普通の人だからガラス代だけで勘弁するけど、他ンところだとモノスゲェ金とられるかもしれないから気をつけなよ」とガラス代5千円でちゃいにしてもらった。それ思い出したわけだけど、昨日は一呼吸おいて、「お〜アタりぃ〜」とまた非確率変動大当たりになった。しかし、それも吸われて、チャンチャン。台替わりできるので、残り玉持って、麻雀の新台に。これはすごい。スケルトンなプラスチックの上に釘が打ってあって、うらおもての両側から玉が通るようになっている。スケルトンなので、液晶画面はものすごくでかく、そこに麻雀のプレイが映し出される。他に確定などのボタンが付いていて、昔あったジャン球感覚だけど、なんか複雑でわけわかめなまま玉がなくなった。CR力道山もそうだけど、やっぱフィーバーは数字じゃないと萌えないというのが、固定観念になっていて、ブレイクしきれない面があると思う。もちろん新しいコンセプトがだされれば、コペルニクス的な転換になるとは思うけどね。そこまでいかなくても、スケルトンプラスチックというアイディアはかなりすごいと思う。とんでもない名機が出てくる予感がした。ただ、これ一台ものすごく高いんじゃないの?繁盛店以外は導入できないんじゃないかな。
 そのあと、ネットと読書。修論書いている院生から、携帯にメイルが来た。ミードの解釈がいろいろ書いてある。来週修論の中間報告会であり、また土日に摂食障害をメインテーマにした学会があるので、ハイになっている様子である。アイディアがマルティプライズするのはよく理解できる。ただ、簡単にわかったことにしようとするのは、おかしいと思った。卒論でもそうなのだが、思考が安直にホメオスタシスっちうか、安定調和的なのは正直ムカツク。本を借りたり、メールで添削してもらうのがみんなすごく好きなんだよね。めんどくさくなると、「ok」と二文字の添削?したりするが、途中わざとヘンな文があったり、誤字したりして、添削を手抜きしていないか確かめたりする奴もいる。人の時間を尊重するところから、学問は始まる面があると思う。とりあえず、依頼心や「ほめて欲しい心」は残虐に踏みにじらなくてはいけないと思う。まあ、大学院生は一応考えて送ってきたので、学部生とは違うし、そこはよしとしたい。
 疲れたときの読書は、愛読書に限る。なにを読もうかなぁと思い、手にとったのは亀井孝の『お馬ひんひん』。奇矯な国語学者オノマトペの語源分析。亀井は母校の教師だった人。故人。自分が書いた文章を題材に、難解な入試問題をつくり、校長会から抗議があったら、その抗議文を入試に出したという伝説をつくった人。あの田中克彦の恩師。講義では、大野晋氏の日本語タミル語起源説を毎時間こき下ろしていたっけ。自らも日本語起源論三巻本を著す。漢籍のような文が続いたかと思うと、ひらがなだけが何ページも続いたりする。ひたむきに考え抜いたあげくの結論は、日本語の起源はわからねぇ・・・。いやぁぶっとびましたねぇ。教壇の上を行ったり来たりしながら、毒をはきまくる感じの講義。「この年になるとね、いろんな人から本がもらえるようになるし、自分でいくらでも本が買えるようになる。でも、そんなものはカスみたいなものなんだ。君たち、今は本を買うには、一食抜かないとだめだなんてこともあるだろ。そういう読書こそ大事なんだ」みたいなことを、ぼそっと言ったりする。そういう言葉を、グッと飲み込んだ日々におめおめと思いを馳せながら、『お馬ひんひん』を手にとる。書き出しはこうだ。源氏物語を読むと、いつも思い出すことがある。それは、光源氏がウンコをふんづけるの図。だって、当時は道なんてウンコだらけだったんじゃないか・・・。受験を通り抜け、さらに認められたい。誉めて欲しい。そういう飢えに苦しんでいる時に、こうした言説のシャワーを浴びたことが、私の教養教育である。その後、森毅だとか、いろんな教養教師の本を読んだが、その読みをセットしたのは、亀井孝の講義だったと、今は思っている。問題は、『お馬ひんひん』を読むたびに、新しい発見があるかどうかで、だんだんヤキが回ってきたなぁと思うこのごろである。
 ってなことを考えつつ、さんまのまんまを見て、池山と広沢のトークに爆笑。それからビデオみて、四時過ぎに就寝。朝は十時頃起床。先週三越「ての字」のウナギをブランチにしたのを思いだし、三越へ。この時間にはほとんど買えないフォション明太フランスがあった。買おうか迷って一周していたら、あっという間になくなった。結局予定通りウナギを食べることに。