銀幕会議

 最近金のねぇ若い奴らはすっこんでろと言わんばかりに、ぼくらから上の世代鬼はあとな懐かしいものが幅を利かせているように思う。最近もテレビを見ていて、日産のCFにCream「I Feel Free」が使われているのでびっくりした。ばかうま自在というより透明感と速度感が目立った。新しいアレンジ曲。パフォーマーも違うみたい。まあそれはいいけど、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのリラックスはやばくね?12インチシングル持ってたけど、日本版買ったのに歌詞訳してねぇんだもん。プロモは放送禁止でしょ、たしか。あのわけわかんないダンスとかゆうパートが印象的ですたが、あの映像とか、扇情的な「うぉううぉううぉう」がないにしても、聴く人が聴いたらぶっとばないんすか?馬場のビックボックスどころの騒ぎ(デーブ・スペクター談)じゃないような気もしますが。それはともかく銀幕会議という番組を見ますた。

 新作映画の予告編ほど、映画ファンの注目を集めるものはありません。新作映画のスポットは、公開が近づくと、テレビの画面からあふれるほど流れてきて、その「印象的な場面」は、視聴者の脳裏に鮮明に焼き付いています。では、「印象的な場面」は、映画本編の何分何秒で上映され、ストーリーの中で、どのような意味を持つのか?カギを握るシーンなのか?象徴的なシーンなのか?それとも・・。そして、映画配給会社は、なぜそのカットを選んだのか?感動?笑い?スリル?サスペンス?・・映画のテーマとして何を訴えるのか?そこには、会社側が、観客をなんとか映画館に足を運ばせようとする苦労と苦悩、プロモーション戦略が見て取れます。例えば、日米同時公開の映画でも、国民性の違いを考え、予告編が、両国で全く違う場合があります。予告編をいかに戦略的に作っているかが、よく分かるエピソードでしょう。このように予告編を「分析」することによって、さまざまなことが見えてきます。また、予告編だけでは表現しきれない、映画の魅力もあります。そこにも踏み込んで、映画の素晴らしさを視聴者に広く訴える・・そんな映画全体への愛があふれた番組となります。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/ginmaku/

 出演は、■予告座館主=佐野史郎、■もぎり=平井理央(フジテレビアナウンサー)、■予告編納入業者=入江雅人。入江のキャラと佐野のキャラがうまく響きあっている。ベストテン形式のとってだしトークから、なつかしの予告編を紹介する予告編アーカイブス、最新の映画ニュースを紹介する銀幕ニュースなどがあり、なかなかしっとりした楽しい番組だった。今までみたことなかったんだけど、たけしの話題の新作がとりあげられるちうことでみた。ゲストは、森昌行プロデューサー。
 佐野四郎が『その男』に出たときのエピソードなどを交えつつ語る。映画撮りはじめたころのたけしを語る森。佐野「イメージのためなら手段を選ばない。若松孝二監督と一緒」と前口上「のようなもの」。いきなり「すげーつまらない」「わけわかめ」という評判の話になる。佐野「映画はストーリーを見に行きますか?」とふたたび問いかける。森P「まあしかし、アート系というのとも違って、話題先行でとりあえず来てもらうっつーか」。でまあ、話題の「映画にこめられたメッセージ」の話題へ。自己パロディーという論点を出された森P「そう見ればそうなるっていうか」。佐野「昔の映画意識してないわけないっしょ!」でゲラゲラ。ここで森Pは『ソナチネ』のころからあった「夢のバウムクーヘン」というアイディアを紹介。「夢の中にまた夢があるというか。大学の映研っぽいみたいな・・・」。佐野「ほんとは・・みたいな考え方やめようっていうこと・・・」。
 全部見てないから分からない。でも見ても分からない。「語るのをやめる」というか。理屈を当てはめるのもやめるってことでしょう。そういう見方じゃなく。森「順序だてたストーリーがある。それをバラバラにしてガラガラポンもありというか。作り手も、見るほうも、組み替えてみるというか・・・」。予告編は、一つの重ね方を速度感を持って提示し、「フラクタル」とかロゴだして、そんな歌舞伎かたもできまっせ、で、「あなたはどう見るか?」。これで、キメ。実験的試行じゃなくて、話題先行で。座頭市で儲かったし。炸裂して瓦解するイメージがそこにあるだけなのか。あるいはなにか誕生のイメージが明滅するのか。ちょっと見てみたい気にはなるだろう。アーカイブスのゴッドファーザーも懐かしかった。

リズム隊ブルース

 そーいや、たけちゃんの教育白書のなかでも、はたしてというべきか「頭イイ」ネタがとりあげられていて、「頭イイ」の仕組みとなかみなどについて解析されていた。でもって、「頭イイ」と思う有名人と「バカ」と思う有名人についてかなりの数のアンケートをとっていたわけだけど、たかしは「バカ」のほうはまずくないのかと言いつつ、バカ1位「出川」に「出川はすごい頭イイじゃねぇか」とコメントし、バカのイメージがベタなのか、ネタなのかわからないというカンジに見えた。まあしかし、3位若槻千夏、2位梨花で、「この辺はリアル」と言っていたから、問題はバカというリアリティであったのだろうと思う。「頭イイ」のほうも、10位がアインシュタインで、ほりえもん以外はみんな芸人とかなのが笑えた。これもこれがベタなのか、これをベタと言うのがベタなのかいまいちわからない。
 昼間知り合いとそんな話をしていたのだが、そこで話題になったのが、アンガールズいつもここからカンニング竹山でつくるバンドU.N.O.のこと。「まさか青春パンクじゃねぇよなぁ」と言ったら、「スネオヘアーがプロデュース」と聞き、エエエェェェで、公式サイトをあけてみてびっくり。竹山も含めバンドっぽくキメテイル。視聴も聞いてみた。スネオヘアーという予断があるので青春パンクには聞こえないというカンジでしょうか。もしかするとベタに青春パンクしたほうが、売れるかもしれないという気がしないこともないけど。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/unoband/
 そんなやったことないやつらでとりあえずバンドつくるみたいになったとき、上手い奴がボーカル、ギターやって、初心者はベース、デブはドラムみたいな決め方があるんじゃないかと思う。ベースはうしろじゃないんだろうけど、下手な奴はベースみたいな。とある教え子が「うちらのサークルでは、ベースはろくに弾けなくてもなんとかなるということになっている」とか言って、そりゃあめちゃくちゃだみたいな話になり、大笑いした。ドラムは野球のキャッチャーみたいなもの?目立っちゃいけないやつはうしろにいろみたいな。いつからそんな偏見ができたのかと思うし、実際有名なバンドみてみるとそれほどドラムス=デブってわけでもないのに、なぜかてきとーにやる場合こういう傾向はあるんじゃないか?もちろんデブだとだめだというわけじゃないよ。すぐに思い浮かぶのはファクトリー@お台場ではじめてみたZAZEN BOYS の重量級ドラムス。ものすげー存在感だった。とにもかくにも、リズム隊はフロントになれませんです、めっちゃブルースです、みたいなところはまったくないとは言えないだろう。
 それからすると、このバンドは微妙だ。フロントはアンガールズなんだろうけど、山根がベースになっているんだわな。で、ボーカルなし、サイドギターアリのファイブピースになっている。山根は歌も楽器も下手なのかとか、議論は尽きない。で、竹山は約束されたようにドラムス。かっこだけでえらんだんじゃないだろうけど、この手のサブカルチャーには少なからずバリアやディバイドをどこか感じてきたという、至極あたりまえで月並みなことを再確認した。まあゴスペルやブルースのビックママは言うまでもなく、ポップサウンドでもアリソン・モイエみたいのもいるわけだし、ンなこと言ったら、エブリシング・バット・ザ・ガールだって微妙かもしれないわけだけど、などというとファンが激怒するでしょうか。
・・・などとショーもない話をしたのでありました。一応ネタクリップということでございます。