大船軒鰺の押し寿司

Driving one of your cars

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 横浜駅の乗り換え通路で、ときおり鰺の押し寿司を売っている。で、いつか買おうかと思っていたのだが、売っているのは、小走りに新宿ラインに飛び乗る時間帯が多く、なんともにんともだった。そしたら、横浜駅のいろんなところとかでも売っているという情報をつかみ、さっそくHPを検索したら、ジョイナス地下一階他にあるわあるわ。さっそく買ってみることにする。
 調べていて知ったのだが、この店は創業明治31年なのね。もう一つ知らなかったのは、このお店はレトロなサンドイッチも出していて、これが草分け的なものであること、そしてこれがきっかけで鎌倉ハムのブランドができたってこともあるらしいこと。「中身に使用しているハムは、発売当初よりのこだわりで日本初のロースハムを作った鎌倉ハムだけを使用しています。」という講釈には驚いた。私のガキの頃ですら、わけのわからないペッパーランチもぶっ飛ぶようなプレスハムの縁が真っ赤っかみたいなのが、サンドイッチの定番だったのに、戦前からロースハムって、さすが鎌倉、ってかんじですかね。
 神奈川県の駅弁にもなわばりがあって、「保土ヶ谷駅以北は崎陽軒平塚駅以西は東華軒の売店に変わる」ということでありますです。まあでも、最近はなわばりもなにもなくなりつつあるのかね。例のバイトのおばちゃんが管理職になった会社やJR系列企業がなかなかの奮闘ぶりだから。それはそれで美味しいものがあって、品川駅銘柄とかけっこういけてると思う部分もあるけどさ、大阪駅八角弁当が買いにくくなったのは、かなりむかついていると言うことは、この機会にふたたびシャウトしておきたい。
 それはともかく鰺の押し寿司だが、昔は一家でドリームランドとかに行くと、お弁当の定番だった。ガキの頃は、安っぽい弁当喰わせやがって、くらいに思っていたのだが、やがてあの独特の御飯の食感と、酢飯の案配と、そして鰺の味わいがソウルフード的なものになっていった。小田原のほうが好きという人もいるが、私は酸味が苦手ということもあり、こっちのほうが好きなのである。

 脂の乗った中鯵を伝統の合わせ酢でしめました。さっぱりとした中にも、鯵の旨味を味わうことの出来る押寿しです。古くから鎌倉に縁のある文人墨客に親しまれてきました。大船軒の「鯵の押し寿し」は小鯵を関東風ににぎり関西風に押して仕上げるもので、大正2年4月に 発売となりました。当時、鯵は江ノ島近海で湧く(わく)ように獲れたとの事。その中から身の締まった「小鯵」だけを使い、半身で一握りという贅沢な押し寿しは、当時のベストセラー「サンドウ井ッチ」に増して人気を博しました。現在は、日本有数の鯵の産地である九州の五島産の鯵を使用し、当時の味をそのままにお届けいたしております。
http://www.ofunaken.co.jp/

 小鰺を使った特上と中鰺をつかった定番の二つを購入。店は閉店まぎわだったこともありますが、ほとんど売り切れ状態で、けっこう駅弁買って帰る人が多いことを再確認しました。
 特上が偉いさんの指定を受けた由緒ある喰いもんらしいっすけど、まあ極私的にソウルフルなのは、定番のほうでありますな。この脂ののった感じがすごくイイカンジです。知り合いのどきゅそが、関鯖なんかより、ノルウェーのほうが脂乗っていて、鬼美味いよ、とかゆうのといっしょなカンジ。
 駅弁にはバランスのよい低カロリーのものも多いので、駅弁ダイエットみたいなことがはじまってもおかしくないんじゃないっすかね。新宿駅なんかは、アール・エフ・ワンから、バランス弁当から、成城石井までありますからね。でもね、アテクシ的には、貿易にある小松帯刀の子孫のお店とかが、とてもよさげに思えるわけでございますです。