スタ丼

 最近いろんなところにスタ丼屋があるなぁ、とか思っていて、それぞれの街にはそれぞれのスタ丼屋があるわけで、それはそれでいいでわないか、みたいに構えていた。あぶらそばも、国立元祖説と武蔵境説なんかがあったわけだし。その境にも、いろんなスタ丼があるという噂があった。しかし、かなり積極的な企業展開をしているようで、ついにミクシニュースにも登場してしまった。

もちろん、名前の由来はスタミナ+丼。そんな「すた丼」を食べさせてくれる店が東京にある「伝説のすた丼屋」。店による「すた丼」の説明はこうだ。
「創業37年以来、ずっと変わらず愛され続けている当店人気No.1の商品。複数の合わせ醤油に、厳選されたニンニクを溶かし、何日もねかせて熟成された『絶対の掟』に守られてきた秘伝のタレを相性抜群の豚バラ肉と絡め、強力な火力で一瞬で仕上げた丼ぶり。まさにスタミナどんぶりの真骨頂」
……この説明だけでもたくましさに満ち満ちている!


私の家に最寄の高円寺店に行ってみた。「すた丼」との再会は実に数年ぶりだ。夕方の少し早めの時間(18時ごろ)に入店したのだが、その時間帯にしては結構席が埋まっている。やはり、男率が高い。気を取り直し、券売機にて注文を決める。「すた丼」以外にも「チャーハン」や「すたみなライス」、「すたみなカレー」などの名前が並ぶ中、やはりここは「すた丼」を注文。さらにプラスして、「肉飯増し」というオプションを付けてみた。ちなみに、注文を通す声は「ましまし」。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=892790&media_id=58&m=1&ref=news:right:diary

 スタ丼の場合、Bグルというか、Cグルみたいなカンジで、俗化もへったくれもないが、いろんなメニューがあるんだなぁなどと思う。私はてっきり国立の例の汚いラーメン屋にどっぷりはまった奴が起業したのだとばかり思っていた。この記事により、経営しているのが株式会社アントワークスというところだと知る。で検索してみてぶっ飛んだ。この企業はまさに、国立の「あの店」の正嫡なのであったのだ!!

 おいおいおいおい、二郎か!!と思わずツッコミを入れる。「すた丼」が生まれたのはいまから35年前、私たちが「オヤジ」と呼んでいた先代(橋本省三氏)が開発しました。「若い連中に腹いっぱい食わせてやりたい」という思いで、長年試作を重ねて開発されました。一号店は国立のはずれにある小さなラーメン店でしたが、「すた丼」は、味・ボリューム共に他に類を見ない商品で、当時の多摩地区の若者に旋風を巻き起こし、一躍有名になりました。
 「オヤジ」は元ボクサーの不良上がりで、若者たちを、ひとつにまとめるカリスマ性がありました。だから腹ぺこの不良たち、暴走族たちがすた丼を食べに集まる店でした。彼らには店の前ではバイクをふかさない、喧嘩はしないといったルールをしっかり守らせて営業しておりました。そんな「オヤジ」を慕って集まった従業員も、やはり不良あがりの人間ばかり…お客さんと喧嘩するなんてことがしょっちゅうありしました(もちろん今は全くそんなことはありません!)。でも、喧嘩するほど仲が良いといった感じで、お客さんとは「いつもの!」で通るような密接な関係をきづいておりました。
 お店は繁盛し続けていたので、国分寺、国立にもう1軒出店しました。ファンの方にはもっと出店してほしいという声が多かったのですが、元寿司職人でもある職人かたぎのオヤジは「俺がみれるのは3軒まで」という考えで、25年間3店舗で営業してきました。 私自身19歳からアルバイトとして店に入り、22歳で社員になりましたが、連日「すた丼」を食べ続け、なによりも「すた丼」の大ファンだったので、「この味をもっと広めたい」、「すた丼を全国の人に味わってもらいたい」という夢は持っていました。
オヤジが病気で他界し、私が継承することになった今、私がこのすた丼屋を勢力的に展開しております。
http://www.antoworks.com/tenpo.htm#s3

店のことは覚えているが、店員さんのことはまったく覚えていない。おやじのことも覚えていない。一応店はサッポロラーメンの店だった。サッポロラーメンふうのメニューと、スタ丼、レバスタ丼、あとチャーシュー御飯みたいなのがあった。私が行っていた銭湯の近くにあって、かえりによく寄った。私の自慢は、ここで最初の頃知らずにラーメンを頼んでいたことだ。おやじは覚えていないが、ラーメン頼んだら、一瞬たじろいだような記憶がある。で、ラーメンはたいして美味くなかった。それを人に言って、スタ丼屋であることを知る。当時はサッポロラーメンと通称されていたように思う。
 立川の店で一度喰ったが、私の記憶と違うのは、もう少し醤油ダレがワイルドに絡まっていたのではないかということと、ニンニクがタレに溶けているというよりは、大量にぶち込んだすり下ろしがざらざら混じっていたような記憶があるのだ。これは記憶違いかもしれないが。