ワイルドグリズリー再見

 今年も残すところあと三日。このときとばかりは、どーにもくだらないことに時を費やそうと決心したが、草稿に手を入れだしたら夢中になってしまい、疲れ果ててしまった。で、吉祥寺の駅に行き来た方の電車に乗るというのをやった。来たのは登りだった。電車に乗って携帯をいじっていたら、居眠りをしていた高齢の女性が突然覚醒し、怒鳴られた。シルバーシートの近くで携帯を出した私もうかつだったが、あくまで付近であって、席までの距離はある。しかし、ともかくスイッチを切らなければとおたおたしていたら、早く切ってくれと言われ、さらに苦しいともがき始めた。会釈をしてスイッチを切り、ポケットにしまったが、ずっと音がたつくらい強く胸をこすっていた。かなり割り切れないものが残った。切るべき場所でスイッチを切るのは当然だとは思うが、本当に微妙な立ち位置だったからだ。床を塗るとか、せめて壁にここからなかはダメとか書いてあれば、わかりやすいと思った。よく行く街に行き、とっておきのごちそうではなく、どーでもいい店のつけ麺を食べて帰った。
 どうにもまだくだらないことがしたりない。で、「ワイルドグリズリー」をみた。クマの話は、それなりにこだわりがある。岡山時代、教え子の一人が、冬眠前のクマがうようよする北海道の山野をさまよい、行き倒れ同然で保護されてから、クマの事件を一生懸命調べるようになった。「苫前三毛別(さんけべつ)事件」。「札幌丘珠(おかだま)事件」。「福岡大学ワンダーフォーゲル部事件」。どれも身の毛もよだつ事件です。おもちゃのような猟銃しかなかった時代に開拓民がほったて小屋のようなところで襲われた事件と異なり、福岡大学の事件は1970年ですから驚きです。*1ワンゲルの部員が日高山脈で、クマにつきまとわれ、次々に喰いコロされるという事件は実に恐怖をそそるものがあります。*2で、ワイルドグリズリーですが、これが実に逝ってよしな映画です。
 みたときの掲示板への書き込み。10 名前: ワイルドグリズリー 逝ってよし 投稿日: 2000/07/13(木) 10:47どうしたらここまで低劣な映画をつくれるんだ?登場人物:動物愛護の少年 恋人役の少女 少年の母 少女の父=動物の保護観察官 動物愛護の熊撃ち=アメリカ原住民系 悪い熊撃ち=白人系 悪い市長/あらすじ:舞台は湖畔の観光地
体長四メートルの大熊にキャンプしていた一家が襲われる 動物愛護の熊撃ちが 眠り薬を塗った高性能アーチェリーで眠らせる とっつかまった熊に保険をかけ 逃がして殺すことを悪い人たちが計画 大バカの少年が、母親の転職でこの町へ なぜか熊は大暴れ 大熊の子供2匹の世話役になる 研究熱心な少年はインターネットで熊の虫歯に気づく 悪い人たちが熊を逃がす 逃げた熊は町を逃げ回る なぜか外出禁止にならず 何人かが襲われる 内臓をくちゃくちゃ食べたりするが 誰も氏なない。氏んだのは犬一匹のみ(何故か担架で搬送) 逃げた熊を治療するために少年は熊探知機などを盗み出し 一人で追跡の旅に出かける 断崖絶壁をフリークライムしたりしながら熊を追う 何故かそこに少女が登場 二人は熊を追って廃坑で一泊 とくにやらしいことなどはない
 廃坑を巣穴にした熊がそこに登場 何故かそこにインディアンの熊撃ちが登場してしとめようとするが大バカな少年は熊を愛する気持ちからこれをじゃま インディアンの熊撃ちは殺されそうになるが 何故かここに悪い熊撃ちまで登場し熊を撃ったのでみんな助かる しかしたまははずれ熊は逃亡 少年はインディアンの熊撃ちの動物愛護の気持ちに感激 少年は保護されるがこんどは馬鹿な母親が少年を探しに逝って、どういうわけか廃坑へ 熊に襲われる 何故か夜が明けてまたまた悪い熊撃ちが登場 ダイナマイトで母親とともに熊をぶっとばそうとする ダイナマイトは爆発するが熊も母親も無事 そのころインディアンの熊撃ちと少女の父が救出にむかう 来るなというのに馬鹿がガキ二人がついてくる そのころ母親は危機状態 すんでの所でインディアンの熊撃ちが登場 眠らせようとするが悪い熊撃ちが「保険金殺熊」のためにインディアンをぶん殴って気絶させる 熊を殺そうとするのを少年がまた阻止 少年はインディアンの武器で熊を眠らせる 捕まった熊は歯の治療をしてもらう 悪いハンターと市長は殺人未遂などで捕まる。処分されそうな熊を少年はトラックで山奥深くまでつれてゆき小熊共々逃がす ラストは山の峰から大熊が少年にアリガトウとゆう!!
 熊は何時間眠っているちゅーねん 少年はどうやって熊をトラックから降ろしたちゅーねん どうやって原生林の奥までトラックで行ったちゅーねん 馬鹿なガキと母親が勝手なまねをさらさなければ問題はなにも起きなかった 内臓喰われた奴がなんで重体ですむわけ しかも熊のラリアートはでないで熊はいきなり内蔵を喰う しかもくちゃくちゃギャグのように喰う 熊も人も氏なない 悪い奴すら氏なない みんな自分勝手 パンクなまでに不自然な脈絡 馬鹿なのか 崇高な動物愛なのか アメリカ映画は計り知れないものがあります しかし、インパクトはある映画だった あほらし
 いやぁまったく何度みても感想は変わりませんね。w しかるべく・・・みわすれた。ろくがもわすれた。

*1:おもな事件のまとめサイトです。http://homepage1.nifty.com/~n_izumi/higuma/jiken.html

*2:おちゃらけた日記に貼るのは気が引けますが、熊の害その他を知るのに重要なリンクと思い貼っておきます。3人のご冥福をお祈りいたします。http://tokyo.cool.ne.jp/sunpillar/kamueku/kamueku02.htm