イエローヘアー・新旧

 久しぶりに研究会に出ることができた。もちろんなにからなにまで理解できるわけではないのだが、詳細な議論にバイブレイトされると、心地よい刺激となり、いくぶんかの知的興奮を感じる。よいものだ。例によってアフターの飲み会に行った。他所ではまず飲み会には出ないので貴重な機会となっている。そのあと本屋で立ち読みをし、ブックオフへ。一通り立ち読みなどをしたあとDVDのコーナーでもみて帰るかと思ったら、なんと『イエローヘアー』が陳列してあったのでビックリした。即購入を決定。横浜のコリアンタウンで買ったコリアンむけの格安品は持っているのだが、これが字幕がなくてなんともにんともだったので、購入できて非常にうれしいものがあった。掲示板やこの日記でも何度もとりあげてきたが、今一度作品の紹介をHPからの引用によって行う。

あらすじ

イエローヘア [DVD]

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 幼い頃に父親から受けた性的虐待がトラウマとなって家出したユナ(イ・ジェウン)。貧乏が嫌で家出してきたサンヒ(キム・ギヨン)。2人はウブに見えるという理由で髪を金髪に染める。ある日、彼女たちはロック・クラブで失業中の男ヨンギュ(キム・ヒョンチョル)と出会う。証券会社で事件を起こし自暴自棄になっていた彼に一目ぼれするユナ。そして3人は淫らな同棲生活を始める。しかし、ある日、ヨンギュは昔の職場の同僚であるウンミを訪れ恋に落ちる。それを知ったユナは、ヨンギュに捨てられるのではないかと恐れ、サンヒと一緒にウンミを殺してしまう。

エピソード

 1996年10月4日に憲法裁判所が公演倫理委員会の審議に対して違憲決定を下し、その後設立された韓国公演芸術振興協議会がスタートした1997年10月以降、韓国映画としては初めて等級附与保留判定を受けた(1999年3月)。理由は「女性二人と男性一人の三人による動物的セックス場面が問題」とのこと。等級保留期間3ヶ月が経過した後、問題の箇所を一部削除、または光学処理してから再審議を申請し、18歳未満観覧不可の等級で無事公開にこぎつけた。公開前の騒ぎはテレビ番組でも報道され、それがいい宣伝となったのか、公開直後は満席の状態が続いた。
http://www.seochon.net/korean_movie/movie/kinpatu.htm

 制作モチーフについて上記サイトは次のように言っている。「頼るもののない現実においてセックスで意志疎通する若者達を通じ、現代の道徳的厳肅主義を批判するというのが監督の意図。また、三人の主人公の日常と本能的愛を通じ、人々が夢見る脱出と自由への意志を込めた作品でもある」。このような理屈が、鮮やかな真っ黄色に染めた髪の毛とそれからラストのパンクな炸裂によって鮮やかに映像化され、黄色い残像が得も言われぬ興奮として残るところが、この作品の凄さだと思っている。スゲー安っぽい映像も随所にみられるのだが、なんとも言えないスタイリッシュなものが一本筋とおっていて、実にかっこいいものになっていると思う。馬路ラストはぶっとびます。このへんは何度も論じたから最小限にとどめます。賞ももらっているのですね。第37回(2000)大鐘賞新人女優賞(イ・ジェウン)、第20回(1999)青龍賞新人女優賞(イ・ジェウン)受賞作品。もらっているのは、イ・ジェウンだけなのだが、圧倒的な存在感であり当然のことだと思う。『八仙飯店之人肉饅頭』のアンソニー・ウォンみてーなものかなぁ。話はそれるけど、この人肉饅頭のDVDボックスが出ているのには鬼おどろきますた。まあ香港のアカデミー賞かなんかとったはずだから、あたりまえかもしれないけどさ。で、他にもこれを書くために検索していたら、『新イエローヘアー』という映画も出ていることがわかりますた。一応続編で、問題になっているいわゆる円光もの映画らしいのであるけれども、わけわかめなカンジはぬぐえないし、借りてみるかも迷うくらいである。まあしかし、もしかしたら素晴らしくいいのかも知れないけど。なんとなくウィンクに似ている気もするのですが。

愛人 新イエローヘア [DVD]

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八仙飯店之人肉饅頭 BOX [DVD]

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