私は韓国ドラマはほとんどまともに見たことがなかった。なんかすごく展開が遅くて、なんじゃあこりゃああと思って、冬ソナだって借りるには借りたけど、早回しでちょこっと観て、終わりだった。最近起きるのがおそく、惰性で午後も本などをザッピングしながらごろごろしていて、見る気もなしに見てしまったりするのが『天国の階段』で、この主演の人がちぇじうだと聞いて、ふーんちょっと肉喰ってます稲森いずみジャンかとか、アホなことしか思わなかったけど、なんかやたら吹き替えの「おにいちゃん」というのがくり返されて、もう幻聴の域に達するくらいトラウマなのである。でまあ、遅ればせながらなんとも言えない吹き替えの「間」に気づくことになった。ラブ・サイケデリコの曲が気持尾てい骨引き気味なのとおなじで、なんとも言えぬ一拍引いたような吹き替えで、かつ歌舞いていて、なんかベルサイユの薔薇観てージャンとか思い、なんとなくトレンディードラマ仕様の、というか東京ラブストーリーの影響力みたいなものを感じつつ、ギンギンに逝きマースみたいな展開セリフ回しに、「冬ソナを勝負下着でみてる母」というトリンプ川柳な日本の情景と、韓国のテレビ文化などを思い浮かべつつ楽しんでいる。まあ、やっぱ映画の『季節の中で』みたいなベトナムの火炎樹や蓮の花の情景のほうが強烈な残像であることは間違いないけど、連呼「おにいちゃん」はかなりパンクである。
でまあ、三浦友和、山口百恵の赤いシリーズとか比較するみたいな馬鹿臭いことしていたわけだけど、すみおちゃん鬼ハアトな卒業生推薦の「冬の輪舞」をみて「真珠夫人」や「牡丹と薔薇」の幻影を追いかけていたアテクシの自己模倣な視聴状況に対し、ドラマの老舗TBSがガツンと鉄槌をオトしてくれちゃったりしました。きっかけは、うぜーよのブログにあった記事。「そういえば冬ソナで言えばペ・ヨンジュンよりパク・ヨンハです。そしてTBSの昼ドラがやたら重い。キャストがやばすぎると思う。あとナレーション来宮良子。聞けばわかる、あの波乱万丈な声」。わははは。「そして」は、まるで下衆ヤバ夫。いわゆる話が下衆ワープ。で、そのドラマとは・・・。すでにみくしにこみゅまでたっている。簡明なので引用させていただく。
愛の劇場 聞かせてよ愛の言葉を
公式サイトhttp://www.tbs.co.jp/ainogekijyo/
2005年2月21日スタート ひる13:00〜[番組の見どころ!]
大映テレビが満を持して贈る究極のエンタテイメントドラマ!!
血を分けた姉妹の対立、夫を死なせてしまった男との愛を「スチュワーデス物語」や「赤い衝撃」シリーズの監督陣を揃え刺激的に描く。<ものがたり>
佐野千尋(伊藤かずえ)は幼くして父親を、26歳で母親を亡くした後、十歳年下の妹・万里(濱田万葉)を育て上げた苦労人。性格的には、思ったことが口に出せない、貞淑で忍耐強い奥ゆかしいという言葉が似合う女性。夫・康宏(石橋保)との間に子供は出来なかったが、アンディという犬と共に平穏な生活を送っていた。しかし、康宏が事故でこの世を去り、千尋の人生は大きく変わる。
夫・康宏と妹・万里との不倫を知って絶望に打ちひしがれる千尋。傷心の千尋を救ったのは、康宏が事故を起こしたときに車を運転していた後藤克也(松村雄基)だった。次第に惹かれあっていく二人は、背徳とは知りながら…恋に落ちていく。この時点では、のちに二人が直面する両親の確執や出生の秘密が障害になろうとは知る余地もなかった…困難を極める愛の行方は?そして運命の結末とは?
公式サイトすごいっすよ。まずジャジャーンとテロップ。「80年代大映ドラマが生んだゴールデンコンビ松村雄基、伊藤かずえ 共演。」。共演のあとの「。」には、おったまげーしょんが三つくらい込められているだろうね。そして、松村と伊藤のツーショット。松村の額にくっきり浮き出る血管。なんとなく、韓流をインチキ臭くした雰囲気も漂い、かつ「赤い」「スチュワーデス物語」のスタッフが、「日式韓流」の新しいかたちを追求か?思い出すわなぁ。堀ちえみのシリーズの「手」とか「蛇」とか。「あなたはこれから逃げられないわ」とかゆわれると、逃げられまくりなのに、「ううう、こ、この蛇には・・・」とかゆって頭を抱えて頽れるの。まあそんなんを彷彿とさせるキャスト。そして、主題歌:「帰り来ぬ青春」和田アキ子。(・∀・)イイ!!。もう、アテクシと同世代のおぢい、おばあがリーゼント&ポニーテールでストレイキャッツ踊り出し・・・ってかんじでもなく、松村も伊藤もバリッとオーソドックスフォーマルにキメまくり。下手すると君の名はまで逝ってきますみたいなカンジ。
しかし、このドラマ空間にさりげなくいるのが、来宮良子であって、やっぱこの人すごいと思う。大ブレイクすることはないけど、コアなヲタもけっこういるみたいだ。ウィキペディア、はてな鍵語など、主だったところにはエントリーされ、ヤフウには画像もある。ただしググってもひっかからない。「波瀾万丈」の声を聞いたことのない人はほとんどいないだろう。「演歌の花道」の「嗚呼・・・しみるねぇ」にはぶっ飛んだけど、馬路コワイ声だと思う。長い間名前がわからずにいたのを、太田省一氏に名前を教わった。以来注目している。「ほんとうは怖い家庭の医学」「サスペンス劇場」などもそうだけど、最近ではやはり「カミングダウト」だろうね。w マンガの声優をしているとは思わなかったが、銀河鉄道999(プロメシューム)、 さすらいの太陽(野原美智子)、火の鳥(卑弥呼)、マッハGoGoGo(三船アヤ)。誰も逆らえないベテランだ。ウィキペディアによると「マッハ・・・」は1967年。私も小学生。来宮良子は1931年生まれで、そのころすでに36歳。70歳なかばでカミングダウトほか多数活躍。しかも老大家というイメージではなく、ものスゲーパンクだ。生涯一声優というスタンスなのかもしれないけれども、本くらい出すとか、番組でやるとかしてくれないのかな。調べたけど、波瀾万丈はもちろん、徹子の部屋にもでてねぇのってカンジなんですよねぇ。
『聞かせてよ愛の言葉を』はあまりにミエミエの企画とも言えるけど、そのあざといばかりの狙いにのせられて、しばらく見ている。春休みだし・・・。