R1グランプリ決勝を観る

 コンビ芸の方は見忘れて悔しい思いをしたが、今日はピンのR1グランプリ決勝ということで、仕事もあるし、録画してみることにした。実は正直、前評判的には連続決勝の友近の評判は高かったし、知名度の高いこの椰子が本命で、あるいはさらなるプッシュで商売繁盛っぽいヒロシかなんかが対抗で、笑いヲタ的には不満が残るんじゃねぇかなと、なんか話し方が下衆ヤバ夫っぽくなってしまうことはアタタタかどうかはともかく、出来レースじゃね?とか思っておりましたし、ラインナップがあべこうじ吉本興業 東京)、井上マー吉本興業 東京)、長州小力(フリー)、友近吉本興業 大阪)、中山功太吉本興業 大阪)、ネゴシックス吉本興業 大阪)、ヒロシ(サンミュージック)、ほっしゃん(吉本興業 東京)とまあ、最下位キマってね?とか、ガラにもなく、事情通なうんちくをかましてみたくもなったわけですけど、かなり楽しむことができました。こういう審査員が、妙に毒舌だと番組がガチンコセメントだけに興ざめなのですが、今日の伊藤シロー、寛平ちゃん、シティーボーイズ大竹、ダンカン、八ぽう師匠は、着眼が鋭いけど、楽しんでいて、番組的にも楽しく見ることができました。
 トップの長州は、「俺は噛ませ犬じゃないぞ」のマネをしたら、なかなかブラックなというくらい噛ませ犬な位置づけになっちまっていた気もしないことはないし、物真似的にもくりぃむしちゅー有田のほうがうまくねぇ?とか思ったけど、まあこれはこれで一瞬輝くかもと思ったりしないこともなかったです。友近は、一生懸命で上手いし、ネタは知的で練られていて、審査員の寛平ちゃんまでが「シュールやった」と言ったくらいなんですが、なんかやっぱテレビで目立っていて、前評判があって・・・となると、こんなふうになるんだなぁと売れている人は売れている人なりの苦労があるんだろうなぁと思ったし、一生懸命な巧さが逆に興趣を殺いだというか、そういう意味で笑いきれないで轟沈ってかんじがぬぐえないなぁと思った。一番うけたのが寛平ちゃんが「友近、おまえ、ハザマの名前お前にやるわ。名乗れ」とかゆったところだったりしたというのは、けっして結果論ではありませぬ。そういう意味で、アンタッチャブルはあのメンツに混じって、よくグランプリ盗ったもんだとあらためてびっくりですた。
 ヒロシも、去年も出ているしということで、「ヒロシです・・・」は封印し、「どうすればもてるんですか」をテレビ初公開。「おしぼりで顔をふかない」だとかの、もてるノウハウやったけどダメポっていう芸をやった。はっきり言って轟沈かなぁと思っていたら、伊藤シローさん、ナイス!「おれヒロシです期待していたのに・・・」で会場核爆。その通りと思った人は多かっただろう。俺も、ヒロシデスを見たいと思ったもン。シローさん、しかし、「これやり続けないと」「この雰囲気でやり続けるとそれだけで人は魔法をかけられたように笑うようになる」「波田陽区が俺のことこの前斬って、それはいいんだけど、そのあと舞台の袖で俺に謝ったの。でそんなんじゃだめで、斬りキャラで通せとゆったんだ」とコメント。実に(・∀・)イイ!!。てんぷくとりおただ一人の生き残り。今演技派俳優。シビアだけど、人を笑わせて、かつヒューマンペーソス。ヒロシのネタは、「ヒロシです」も、「どうすればもてるんですか」も、言葉を変えただけで変化はない。そんな小手先ではしょーがない。そんな批判が出てくることは明らかだし、「ヒロシちゃん、そろそろ新しい方向性考えないとワンパターンじゃない」なんていわれると、新境地を目指しつつ、自己模倣を重ねる。そして、このグランプリのネタを見て、新しいネタに苦悶しつつ自己模倣の無限地獄。そんなことを見通して、理屈をこねず、シュパッと言った伊藤のすごさをヒロシは感じただろうか。しかし、はなわは聡明ダヨなぁとなぜか思った。
 そのあとほっしゃんというのがでてきて、実は最初私は前田犬だと思っていた。また前田女装してんじゃん。シローさんじゃないけど、あややか、ヲタク少女やれよ。ちょっとちがうなぁとか、思っていたらやっぱちがうのにようやく気づく。ネタは「ルーマニア」=シチューやカレーのルーのマニア、「クール宅急便」=クールな男の配達員の宅急便などと言いかえるやつで、「モト冬木」=おまえ誰やねん?、「京本まさき」=わけわかんないわよ!みたいなところでは核爆。最初に捨てネタかまして、盛り上げていったのでわかりやすい。丁寧な好演だったと思う。ただ妙に落ち着いていて、すべりそうになってもなんか軌道修正するようなスタビライザー仕様で、上手いとは思ったけど、もっとパンクにぶち切れて欲しいなあなどと思っていた。まあでも上位かなぁなどとも。で、井上マーと言うのが最後に出てきて、尾崎豊みたいなシャウトを繰り返してかなり受けた。「私はブラジャーのパット・・・もうウソはつきたくない!」「私は酢豚のパイナップル・・・ここは俺の居場所じゃない」とかシャウトするの。オオ!(・∀・)イイ!!。こいつで決まりじゃないとか思った。審査員の「言っていることはめちゃくちゃだけど、聞かせるところがすごい」というコメントも面白かった。でも、やっぱ出来レースだと中位くらいなのかもなぁとか思っていた。
 結果。あべこうじ吉本興業 東京)=三位、井上マー吉本興業 東京)=二位、長州小力(フリー)=八位、友近吉本興業 大阪)=四位、中山功太吉本興業 大阪)=七位、ネゴシックス吉本興業 大阪)=四位、ヒロシ(サンミュージック)=六位、ほっしゃん(吉本興業 東京)=一位。ほっしゃん、苦節何年で号泣。「いつかいいことがあると思った」。そんなこというとこれで終わっちゃうぞ!と思ったけど。テレビへの露出度が高い椰子らが圏外だったし、順位は納得した。っつーか、順位なんて相対的なもんだと思うし。井上マーもいい位置なんじゃないかな。今日のネタは面白かったけど、まあ一発的にいえば、ヒロシです・・・はかなり面白かったわけで、そでも一位ではなかった。個人的には、中山の動作がピタッと止まる自虐ギャグだとかも面白かった。あと三位のあべこうじが二位に漏れたときうざいくらい大騒ぎしていたのは、のりお師匠のようで面白い椰子だと思った。こういう人たちはルミネとか出ているんだろうけど、私的にはストリートでお笑いやっている椰子がいるのかということにちょっと興味がある。。実はいろんなところ徘徊してはいるんだけど、見たことない。なんか最近夜の繁華街は妙に秩序正しいんだよね。