紅天女の能:お題拝借

 日曜恒例と申しますか、囲碁将棋番組を見て、フジのゴールデン街ルポ番組(たぶん第2弾?、もっとやったのかな・・・)を見て、(・∀・)イイ!!と思った。ボスママ2人がとぐろを巻いて、「68年頃はさぁ、凶器準備集合罪の椰子らがみんなここに逃げてきたんだよ。でもってそれをみんなかくまったりしてさ」みたいな語りは、前回?の元赤軍派議長と、どっちかというと保守っぽい椰子がいっしょに飲んじゃったりしているのと二重重ねになった。寺島しのぶの語りは、こういう系統はアテクシよという気負いのようなものを感じないこともなかったが、なかなかに熟成しつつあることは、否定できないようにも思う。『赤目四十八瀧心中未遂』の好演で、多少身びいき?になっているような気がしないこともないけれども。
 などというようなことを考えつつ、パソコンにスイッチを入れ、仕事をしようかと思っていたが、ちょいとブログなどを徘徊し、ゼミの学生のブログにたちよったところ、突然意味もなく試験全科目ぶっちしやがった椰子のブログにおいて、紅天女が能になることを知る。みくしの関連コミュや2ちゃんなどでも話題になっているようだが、国立劇場の自主公演、配布された予定表をみてみんなぶっ飛んだってかんじですが、とりあえず表敬的にトラバが撃ち込まれているのが、狂言師野口隆行さんのぶろぐ「野口狂言堂表具店」における記事「ガラスの仮面の能」であります。なんか、業界の人はこういうふうに感じるのかと、かなり新鮮なきもちになりました。つまり、マンガのなかでいつかは演じたいとヒロインが思っているもの、「それを能楽師が先にやっちゃうわけですかね」というのは、一般の人にはけっして思い浮かばない観点だと思います。そして、「ガラスの仮面ファンが見たがるだろうと言ったら、妻曰く少女漫画好きは芝居や能楽好きとは別だからそんなでもないだろうとのこと。いかがですか?」と気にしているポイントもまったく違う。
 しかし、なんかこういうのを読むと、私のような右も左もわからないものでも能などというものを見に行っていいのかなぁという気になります。これに対してトラックバックしている『ガラスの仮面』ファンとおぼしき方のぶろぐより。こちらは非常に、うんちくなものがあります。

 「紅天女」が新作能として上演される(18年2月24・25日)って、びっくりですけど、考えてみると、幻の戯曲「紅天女」には、能という表現手段がもっともフィットしているような気がします。/「虚」とか「玄」とかを体現できる上演芸術って、やっぱり能でしょう。(もっとも、誰も読んだことのない仮想の作品ですから、私も勝手なイメージで想う範疇)/野口さんの奥様は、『少女漫画好きは芝居や能楽好きとは別』とおっしゃったようですが、こと「ガラスの仮面」にあっては、単に少女漫画とくくってしまうわけにはいかない作品ではないでしょうか。私の周りの演劇好きは、女子に限らず、それこそ20年近く前から“かの作品”に魅入られてしまっています。最近でも42巻発売の話題に花を咲かせたばかり。ガラかめファン≒演劇ファンの構図は成り立つと思うのですが。野口さんが最初に思われたように、きっと「ガラスの仮面ファンが見たがる」ことでしょう。
http://tenu.at.webry.info/200501/article_8.html

 私がまだ学部の学生だった頃から、話題になっている作品なワケだし、美内すずえがスゴイと思うのは、そのころのクラッシックな絵やスタイルを一定維持していて、かつ「虚」とか「玄」とかを表現しているということではないかと思われます。最近狂言本と関わった近藤ようこだとか、あるいは倉田江美でも、魚喃キリコでもいいけれども、「自由律」というか、かつてのメジャー漫画誌的な枠を超えた表現が自在に可能になったあとならともかく、あの時代に、あの制約のなかで、コアなファンが維持されていて、かつ「虚」「玄」などに、演劇うんちくな人々の鑑賞に堪えるようなリアリティがあるのは、馬路スゴイと思います。しかし、上のブログにおいては、能についても、トラバらしい気配りあるうんちくが傾けられています。そして、耳寄り情報も添えられています。

合わせての狂言にはどんな曲が選ばれるのでしょうか。かたや梅がモチーフですから、狂言も花を題材にしたものとかいいですね、「花盗人」とか「萩大名」とか……。それともこちらも新作なのでしょうか。楽しみです。
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あと、甲府には「ガラかめ」作者美内女史のご主人がやっているというレストランがあります。
◆カフェ・ドゥ・クレプスキュールhttp://www.crepuscule.jp/

 この他、『ガラスの仮面』最新刊情報なども本屋の情景とともに楽しく語られていて、健啖な語り口を満喫いたしました。レストランの名前が、ベルギーだったか、こじゃれたレーベルの名前といっしょ、と申しますか、もっともともとがあるにしてもそれはとばしまして、このレーベルについて、うんちくしたくなりますですね。たぶんイザベラ・アンテナが有名だと思いますが、私的にはアンナ・ドミノのほうが萌えるものがあります。ヨーロピアンテイストな、スザンヌヴェガとかいうと怒られそうですね。きゃはは。
 こういう文化現象は、ハイブリッドフュージョンだとかゆわれるもので、ジンメル的なトリクルダウンに対して、「メイン化」だとか、「バブルアップ」(難波功)だとか、「ポップアップ」だとか、言われるものでありますが、「アップダウン」というのとは違う運動がそこにはあるかもしれません。
 能関係の人は、いろんな人が見て欲しいと思っているだということは、ブログからわかります。そして、コアガラカメ系も同様だと思います。だけど、渋谷あたりの若い椰子らに能面とか流行ってもうれしくないだろうし、アジアの民だとか、あるいはNYでもロンドンでもパリでも、ってバーシアかよってうんちくはともかくとして、みんなが面つけて「くっさめくっさめ」ゆわれても困るんだろうけどね。バカファンで国立劇場連日満員。能舞台モッシュとかできたら、やじゃない?w ってかんじでありますね。まあ冗談はともかく、来週じゃない。切符とかてにはいるのかなあと思いつつ、いって誰かにあったらやだろうなあと思ったりもする。