関東社会学会例会

 で、起きてから、関東社会学会例会へ。大正大学に行くのは久しぶり。ジュンク堂によって池袋からバスに乗るコースと、巣鴨近辺でメシを食い、とげぬきぢぞうにお参りをし、今川焼きなどを喰いながら、歩く方法があるが、時間がないので池袋からバスで向かうことにした。途中大久保のはやし家でつけ麺を食べた。ここのは甘くないので口にあう。久しぶりに行ったら、元の味に戻っていた。チャーシューがグレードアップしている気がした。大久保通りから新大久保へ。そして電車に乗るとなんか、生活史研究会や社会科学基礎理論研究会で大正大学に何度も行ったことなどを思い出し、完全に研究会モードになった。
 高崎経済大学の友岡邦之さんの文化行政に関する報告を聞きにいった。地方行政などと関わった報告が期待されたからである。はたしてモロそういう報告で、文化行政や文化格差の問題を、地域社会学などの成果などもとりいれ、また行政現場でのお仕事なども踏まえられた着実なご研究を発表され、刺激的であった。学会報告をごいっしょしたころは、オーストラリアのCSなどに注目しているということで、理論的な色彩の強いお仕事をされていたが、そういうものを踏まえつつ、地方都市の苦悩を冷静客観的に計測する指標のようなものを作り出そうとする問題意識は清冽だった。私の立場からは批判的なコメントをすべきところだったかもしれないが、同じく高崎経済大で教鞭をとられている方がいて、面白い議論になったので、そっちがもっと聴きたく、黙っていた。地方都市を賞賛するだけではなく、シビアにみる研究は重要だと思う。「不平等」を明晰に示し、補助金行政の必要を立論し、その効率的な運用を図る方が、ずっと現実的な施策ができる。
 ちなみに、私の立場は、指標の客観性=動員のロジックということで、それはまあ様々になるのではないかと思うという単純なものだ。行政的な期待もわかるが、私はむしろ25年位前に医院の藤村正之氏らとリンドの『ミドルタウン』を読んだのを思い出したりもしていた。最後に司会者の川崎賢一氏もおっしゃっていたことだが、高級文化は施策の対象になるが、サブカルチャーの場合施策の対象になりにくい。というか、政策ベース、市場ベースに乗ることが萎え萎えに魅力を剥奪する場合もある。まあしかし、最新の研究動向ほかたくさん「お土産」を持ち帰れた。
 もう一本の小山 彰子(慶応義塾大学)氏の報告は、日本の上流階級の教育、文化再生産について研究した成果であり、興味深かった。話がとても巧みで、思わず聞き入った。アカデミックな研究か、あるいは講談社のメチエっぽい本にまとめたら面白いだろうなぁと思う一方、妙なウレセン志向の編集者が新書にしたらどうなるのだろうかとか、考えた。絶対この調査はおれにはできないだろうと思って、苦笑した。
 おそらくは入試他の問題で、三連休中日という非常に条件の悪いところで開催となったためか、出席者が思ったより少なかった。ギリギリに行くとふつうは、前の方の席になって窮屈なのだが、今日は楽な席を得ることができた。そのあと上野で双葉のカツを食おうかと思ったけど、昨日もカツだったし、向かいのてんぷらやでこざっぱり天茶などを食し、横浜に帰ってきた。